クウェート・ディナール

クウェート・ディナールとは

クウェート・ディナール（アラビア語: دينار）は、クウェート国の公式通貨です。ISO 4217の通貨コードはKWDで、通貨記号はد.كと表記されます。補助単位として1000分の1のフィルスが用いられています。

歴史

クウェート・ディナールは1961年に、それまで使用されていた湾岸ルピーに代わって導入されました。しかし、1990年のイラクによるクウェート侵攻という大きな危機に見舞われます。この際、イラク軍によってクウェート・ディナールがイラク・ディナールに変更され、大量のクウェート・ディナール紙幣が略奪される事態となりました。湾岸戦争終結後、クウェートは通貨を再びクウェート・ディナールに戻し、略奪された旧紙幣を廃止して新紙幣を発行しました。

また、クウェート・ディナールは固定相場制を採用している通貨の一つです。1975年3月18日から2003年1月4日までは通貨バスケット制を採用していましたが、2003年1月4日から2007年5月20日までは1ドル＝0.29963ディナールを基準レートとするドルペッグ制に移行しました。その後、2007年5月20日以降は再び通貨バスケット制に戻っています。

硬貨

1961年に導入された硬貨は、1、5、10、20、50、100フィルスの6種類が存在します。

紙幣

1961年4月1日に、クウェート通貨委員会が制定したクウェート通貨法に基づき、第1次紙幣として¼、½、1、5、10ディナール紙幣が発行されました。その後、クウェート中央銀行が設立され、1970年11月17日には¼、½、10ディナール紙幣、1971年4月20日には1、5ディナール紙幣の第2次紙幣が発行されました。これらの第1次と第2次の紙幣は1982年2月1日に回収されています。

ジャービル・アル＝アフマド・アッ＝サバーハ首長の即位後、1980年2月20日に第3次紙幣として¼、½、1、5、10ディナール紙幣が発行され、1986年2月9日には20ディナール紙幣が新たに導入されました。しかし、1990年のイラク侵攻により、大量のクウェート・ディナール紙幣がイラク軍によって略奪され、国際通貨市場に流出。この事態を受け、第3次紙幣は1991年9月30日に無効となりました。

湾岸戦争終結後、国家経済の回復と新紙幣の早急な発行が求められ、1991年3月24日に第4次紙幣として¼、½、1、5、10、20ディナール紙幣が発行されました(1995年2月16日まで流通)。その後、1994年4月3日には、偽造防止技術が施された第5次紙幣が発行され、現在に至っています。

為替レート

為替レートは日々変動します。

その他

ディナールは、中東や北アフリカの多くの国で使用されている通貨単位であり、クウェートのディナールはその中でも高い価値を誇ります。

関連項目

ディナール
湾岸協力会議

外部リンク

Don's World Coin Gallery - Kuwait（英語）
Ron Wise's World Paper Money - Kuwait（英語）
* The Global History of Currencies - Kuwait（英語）

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