クルガネツ-25

クルガネツ-25の詳細

クルガネツ-25（ロシア語: Курганец-25）は、ロシア連邦軍のために開発された装軌式装甲車両プラットフォームで、より正確な呼称は「クルガーニェツ-25」です。この車両は、BMPシリーズを手掛けるクルガン機械工場によって設計され、2015年のアラビノ射撃場における戦勝記念パレードで初めてその姿を披露しました。

概要

クルガネツは、同時期に開発された他の車両、特にアルマータやブーメランク、タイフーンといったプラットフォームと共通する部品を多く持っており、これにより開発コストや維持管理コストの低減が図られています。ロシアの北極重視の方針に結びつき、厳しい寒冷地での運用も想定されており、氷点下60℃でも活動が可能とされています。クルガネツは、過去のBMPシリーズや他の装軌式装甲車両に代わる存在として位置づけられています。

設計特性

クルガネツの設計では、IED（即席爆発装置）対策として、従来のソ連・ロシア装甲車両に見られる低重心の車体形状から変更が加えられています。それでも、無人砲塔やリモート武器ステーション（RWS）を採用することで、比較的車高は抑えられています。具体的には、アメリカのM2ブラッドレーより48mm高く、ドイツのプーマより58mm低いというバランスです。全体の重量は約25トンで、水上でも航行可能であるため、ウォータージェット推進システムが採用されています。

モジュール装甲システムを採用しており、これにより脅威に応じて装甲を随時調整することが可能です。2018年時点では、歩兵戦闘車（IFV）型のB-11と、装甲兵員輸送車（APC）型のB-10の2種が確認されています。特にIFV型は、乗員を含めて6～7名の兵員を運ぶことができ、APC型は8名を運ぶことが可能です。

武装と防護システム

IFV型には無人砲塔「ブーメランク-BM」が装備されており、これはT-15およびブーメランクと共通する機能を持っています。具体的には、2A42 30mm機関砲、PKT 7.62mm同軸機関銃、そして9M133M コルネット-M対戦車ミサイルを4発搭載しています。これにより、戦闘中の生存性が向上しています。一方、APC型は無人砲塔の代わりに12.7mm重機関銃のRWSを備えています。

両モデルとも、車体後部ハッチには銃眼が設けられ、射撃の際に有利な状況を作り出す工夫がされています。さらに、360°アクティブ防護システムが導入されており、IFV型は車体と砲塔の両方に、APC型は車体に飛翔体検知器を備えています。この防護システムは敵の対戦車ミサイルを撃退する機能を果たします。

高度なコンピュータ化

クルガネツはIT技術の進化に合わせ、より洗練されたコンピュータ制御がなされています。目標の画面上での選択や追従監視が容易で、特に若い兵士でも直感的に操作できるよう、PlayStationのコントローラーに似たデザインが採用されています。これにより、より効率的な戦闘能力が期待されています。

派生型

• - B-11: 歩兵戦闘車型（オブイェクト693）
• - B-10: 装甲兵員輸送車型（オブイェクト695）

採用国

ロシア

クルガネツ-25はその性能と多機能性で、ロシアの防衛技術の新たな象徴となっています。

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