グナエウス・オクタウィウス (紀元前87年の執政官)

グナエウス・オクタウィウス

グナエウス・オクタウィウス（Gnaeus Octavius、紀元前130年頃 - 紀元前87年）は、共和政ローマの政治家・軍人であり、紀元前87年に執政官（コンスル）を務めました。

出自

オクタウィウス氏族はプレブス（平民）であり、紀元前230年にグナエウス・オクタウィウス・ルフスが財務官に就任したことで歴史に登場します。ルフスの息子の一人は騎士階級に留まりましたが、その玄孫は初代ローマ皇帝アウグストゥスとなりました。ルフスのもう一人の息子グナエウスは、紀元前205年に法務官に就任しました。その子グナエウスは紀元前165年に、さらにその子グナエウスは紀元前128年に執政官を務めました。本記事のオクタウィウスは、紀元前128年の執政官の息子です。

経歴

早期の経歴

オクタウィウスは紀元前130年頃に生まれたと推定されています。紀元前100年末には、元老院と騎士階級が団結して、民衆派の護民官ルキウス・アップレイウス・サトゥルニヌスに対抗しました。サトゥルニヌスは反乱を起こし、殺害されましたが、オクタウィウスもこの戦いに参加したと考えられています。

オクタウィウスは按察官選挙に落選しましたが、執政官就任年などから逆算して、遅くとも紀元前90年には法務官に就任したと考えられます。法務官時代にはギリシアに滞在し、デロス島に彼の像が建てられました。

執政官就任と最期

紀元前88年末、オクタウィウスは執政官選挙に立候補し、当選を果たしました。同僚執政官はルキウス・コルネリウス・キンナでした。当時、ローマはルキウス・コルネリウス・スッラとガイウス・マリウスの対立によって混乱していました。スッラはキンナから協力を取り付けてミトリダテス6世との戦争に出発しましたが、キンナはスッラとの約束を破り、マリウス派と結託して、新市民に完全な権利を与える法案を成立させようとしました。

オクタウィウスはこれに反対しましたが、キンナは新市民を動員して法案を強行しました。元老院はキンナを解任し、ルキウス・コルネリウス・メルラを補充執政官に選出しました。しかし、キンナはローマ近郊の軍隊の支持を得て、マリウスと共にローマを包囲しました。

オクタウィウスとメルラはローマの防備を固めましたが、防衛体制は不十分でした。元老院は最終的にマリウスとキンナに降伏することになりました。オクタウィウスはローマからの脱出を拒否し、ヤニクルムの丘で敵を迎え撃ちましたが、キンナによって派遣されたガイウス・マルキウス・ケンソリヌスに殺害され、首はフォルムに晒されました。

子孫

歴史家F. ミュンツァーは、紀元前75年の執政官ルキウス・オクタウィウスをオクタウィウスの息子と考えています。G. サムナーは弟としています。

評価

キケロはオクタウィウスの弁舌を高く評価しています。プルタルコスは、オクタウィウスが法を重んじる高潔な人物であり、占いを好んでいたと記述しています。

関連項目

* 共和政ローマ執政官一覧

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