グリーゼ1

グリーゼ1（Gliese 1）は、ちょうこくしつ座に位置する8等級の恒星で、地球から約14.2光年離れた場所に存在する赤色矮星です。この星はGl 1やGJ 1とも呼ばれ、その小ささと暗さから肉眼で観測することはできません。

概要

グリーゼ1は、天球上での赤経が0時に近いプラスの値であるため、赤経を基準に天体を並べた星表では、しばしば先頭に記載されます。例えば、太陽系から20パーセク以内に存在する恒星を網羅した「グリーゼ近傍恒星カタログ」や、大きな固有運動を示す星を一覧にした「LHSカタログ」では、それぞれGl 1、LHS 1という名称で登録されています。

グリーゼ1は、スペクトル型がM1.5Vの赤色矮星に分類され、その半径は太陽の約48％、表面温度は約3,405Kと推定されています。ヒッパルコス衛星による年周視差の観測結果から、地球からグリーゼ1までの距離は約4.36パーセク（14.2光年）と計算されています。しかし、その明るさは太陽の約150分の1に過ぎないため、比較的近い恒星であるにもかかわらず、肉眼で観測することはできません。

また、グリーゼ1はフレア爆発によって不規則に明るさを変える閃光星や、表面の光度が不均一で自転に伴って変光するりゅう座BY型変光星としても知られています。ただし、変光の振幅は0.02等級と小さく、その変化はわずかです。

2009年の時点では、グリーゼ1の周りに伴星や惑星が存在することを示すような視線速度の変動は確認されていません。しかし、グリーゼ832の惑星が発見された際には、視線速度が安定している赤色矮星の例としてグリーゼ1が引き合いに出されています。

特徴まとめ

名称: グリーゼ1 (Gliese 1), Gl 1, GJ 1, LHS 1
分類: 赤色矮星 (スペクトル型 M1.5V)
位置: ちょうこくしつ座
距離: 約14.2光年（4.36パーセク）
半径: 太陽の約48％
表面温度: 約3,405K
明るさ: 太陽の約150分の1
特徴: 閃光星、りゅう座BY型変光星 (変光幅は小さい)

関連情報

グリーゼ1は、その特徴的な性質から、近傍の恒星の研究や、惑星探査における重要な基準となる星の一つです。今後、より詳細な観測が進むことで、この星のさらなる理解が深まることが期待されます。

脚注

近い恒星の一覧

外部リンク

ARICNS 4C0002
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