グレゴリー・ヘルムズ

グレゴリー・ヘルムズ(ザ・ハリケーン) - プロレス界のスーパーヒーロー

グレゴリー・ヘルムズ。その名は、プロレスファンならば誰もが知る、ザ・ハリケーンというリングネームで広く知られるアメリカ合衆国出身のプロレスラーです。ノースカロライナ州ローリー出身の彼は、1974年7月12日生まれ。華麗な技と個性的なキャラクターで、世界中のプロレスファンを魅了し続けてきました。

インディー団体からWWEへ

ヘルムズのキャリアは、学生時代のレスリング経験を土台に、1991年、ノースカロライナ州のインディー団体CCWAでキッド・ビシャスとして始まりました。その後、OMEGAなどのカロライナ地区の団体で経験を積み、才能を磨いていきました。

1999年、彼は運命的な転機を迎え、盟友シャノン・ムーアと共にWCWと契約。シェーン・ヘルムズとして、バックストリート・ボーイズやイン・シンクを彷彿とさせるアイドル系ヒールユニット「3カウント」を結成し、ヤング・ドラゴンズらと激しい抗争を繰り広げました。このユニットは、当時のWCWブッカーであるジミー・ハートのプロデュースのもと、タンク・アボットをボディーガードに迎え、大きな注目を集めました。

3カウント脱退後はベビーフェイスに転向。2001年3月18日、WCWグリードでチャボ・ゲレロ・ジュニアを破り、WCWクルーザー級王座を獲得。WCW崩壊直前の最後の王者として歴史に名を刻みました。

WCW崩壊後、WWE（当時WWF）と契約したヘルムズは、当初はWCW時代のキャラクターを継続。しかし、ストーン・コールド・スティーブ・オースチンの助言を受け、アメコミヒーローのグリーンランタンを彷彿とさせるスーパーヒーローギミック「ハリケーン・ヘルムズ」へと変貌を遂げました。顔にペイントを施した初期を経て、やがて覆面レスラーとなり、リングネームをザ・ハリケーンへと改名。ハリ・サイクルと呼ばれるマシンに乗って登場するなど、強烈なインパクトを与えました。

WWEでの活躍と数々のタイトル

ザ・ハリケーンとして、アライアンスの一員としてヒールとして活動。スパイク・ダッドリーの恋人モーリー・ホーリーを奪い、自身の助手としてスーパーヒロイン「マイティ・モーリー」に変身させたことも話題を呼びました。アライアンス消滅後はベビーフェイスに転向し、2002年5月16日にはタジリ、ビリー・キッドマンとの3WAY戦を制し、WWEクルーザー級王座を獲得しました。

RAW移籍後は、ケインとのマスクマンタッグチーム「ハリケイン＆ケイン」を結成し、世界タッグ王座を獲得。ロージーとのタッグチームでも世界タッグ王座に輝きました。ステイシー・キーブラーも一時的にチームに加わり、話題を呼びました。

2005年、アメリカでのハリケーン被害を機に、リングネームを本名に戻し、ヒールターン。マスクを脱ぎ捨てた彼は、再びシェーン・ヘルムズとしてプロレスラーとして活動しました。タジリのWWE最後となる試合の対戦相手を務めたことも記憶に新しい出来事です。

2006年、ロイヤルランブルでRAW所属のままクルーザー級王者となり、スマックダウンへ移籍。2007年、ノー・ウェイ・アウトでチャボ・ゲレロに敗れるまで王座を守り抜きました。しかし、同年5月、頚椎の怪我により長期欠場を余儀なくされました。

復帰と解雇、そしてその後

2008年秋、Hurrapopsと呼ばれる形で番組に復帰。その後、MVPとの抗争を経てレスラーとして本格的に復帰。シェルトン・ベンジャミン戦では、ザ・ハリケーン時代の決めポーズで観客を沸かせました。

2009年、ECWへ移籍。バックステージインタビュアーとして活動する一方、数々の事件を経て、ハリケーンのギミックで再びリングに上がりました。ポール・バーチルとの抗争を経て、マスクとバーチルのECW追放を賭けた試合に勝利。しかし、2010年2月、WWEを解雇されました。クリス・ジェリコと共に逮捕された事件が解雇の原因の一つとされています。

WWE解雇後は、アメリカのインディー団体を転戦。ハリケーンのギミックでJAPWに登場したり、シェーン・ヘルムズ名義でLucha Libre USAに参戦するなど、精力的に活動しました。しかし、2011年のバイク事故で重傷を負い、活動を休止せざるを得ませんでした。

2018年、約8年ぶりにWWEロイヤルランブルに登場。ジョン・シナと対峙するなど、往年のファンを熱狂させました。

ザ・ハリケーンの技

ヘルムズは、数々の得意技を有していました。フィニッシュホールドとして使用していたのは、アイ・オブ・ザ・ハリケーン、ファイナル・カット、そして武藤敬司への敬意から技名を変えずに使用したシャイニング・ウィザードなどです。その他、ハリ・チョークスラム、ネックブリーカー・スラム、モウティファイアー、アンダードッグなど、多彩な技で観客を魅了しました。

数々のタイトル獲得

ヘルムズのキャリアは、数々のタイトル獲得によって彩られています。WWE世界タッグ王座（2回）、WWEクルーザー級王座（2回）、WWEヨーロピアン王座、WWEハードコア王座、WCWクルーザー級王座、WCWハードコア王座などを獲得。インディー団体でのタイトル獲得も多数あり、その実力は折り紙付きです。

まとめ

グレゴリー・ヘルムズは、インディー団体からWWEまで、長年にわたりプロレス界で活躍したレジェンドです。独特のキャラクター、華麗な技、そして数々のタイトル獲得は、プロレス史に大きな足跡を残しました。彼の活躍は、多くのプロレスファンに感動と興奮を与え続け、これからも語り継がれることでしょう。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

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