グレッグ・ガニア

グレッグ・ガニア：AWAを支えた二世レスラーの軌跡

グレッグ・ガニアは、1948年生まれ、ミネソタ州出身のアメリカ人元プロレスラーです。父は「AWAの帝王」と呼ばれたバーン・ガニア。その血を受け継ぎ、AWAのリングで活躍しました。

AWAでのデビューと初期

父バーンの指導のもと、1972年にAWAでデビュー。リック・フレアー、ケン・パテラらと切磋琢磨しました。1973年には国際プロレスに参戦しましたが、当時はまだ経験不足でした。

ハイ・フライヤーズとしての成功

1976年、ジム・ブランゼルと「ハイ・フライヤーズ」を結成。1977年にAWA世界タッグ王座を獲得し、バリアント・ブラザーズやブロンド・ボンバーズといった強豪チームを相手に長期政権を築きました。空中殺法を得意とする彼らのタッグチームは、AWAの看板の一つとなりました。

1978年にブランゼルの負傷により王座を剥奪された後は、シングルプレイヤーとして活動。ニック・ボックウィンクルのAWA世界ヘビー級王座に挑戦する一方、WWFにもゲスト参戦しました。

1981年、ブランゼルとのハイ・フライヤーズを再結成し、AWA世界タッグ王座に返り咲き。その後2年間、タイトルを保持しました。1982年には全日本プロレスに参戦し、リッキー・スティムボート&大仁田厚組を相手に防衛戦を行っています。1984年にはジャンボ鶴田のAWA世界ヘビー級王座にも挑戦しました。

AWA末期とブッカーとしての活動

ブランゼルのWWF移籍後は、ブルーザー・ブロディとの抗争や、サージェント・スローターとのタッグなどで活躍。また、ブッカーとしてAWAの選手層の若返りを図り、ミッドナイト・ロッカーズを起用するなど、新たなファン層の開拓に尽力しました。

しかし、WWFとの競争激化により、AWAは苦境に立たされます。観客数の減少、所属選手の減少など、規模は縮小の一途をたどりました。それでもグレッグは、ブッカーとして、また主力ベビーフェイスとして、AWAを支え続けました。1987年にはAWAインターナショナルTV王座の初代チャンピオンにもなっています。

1989年、AWA世界タッグ王座争奪トーナメントに出場中に負傷し、引退。その後はオフィス業務に専念し、解説者としても活動しましたが、AWAは1991年に活動を停止しました。

AWA崩壊後

AWA崩壊後、WCWのブッキング・コミッティに参画しましたが、エリック・ビショフとの確執により解雇。その後はプロレス界から離れ、自動車販売の仕事に就きました。しかし、AWAでのブッカー経験を活かし、販売代理店の売上拡大に貢献したといいます。

2006年、父バーン・ガニアのWWE殿堂入りを機に、再び公の場に姿を現しました。その後、WWEと契約し、下部組織でブッカーやトレーナーを務めましたが、短期間で解雇されています。

現在は、自動車販売の仕事に戻る一方、プロレスリング・スクールを運営し、後進の指導にあたっています。

得意技

スリーパーホールド
ドロップキック

タイトル歴

AWA世界タッグ王座：2回（w / ジム・ブランゼル）
AWAインターナショナルTV王座：2回

グレッグ・ガニアは、偉大な父を持つ二世レスラーとして、AWAの隆盛と衰退を経験しました。レスラーとしてだけでなく、ブッカーとしてもAWAに貢献した彼の功績は、プロレス史に刻まれています。

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