ケトロラク

ケトロラク (Ketorolac) について

ケトロラクは、商品名トラドールなどで知られる非ステロイド性抗炎症薬（NSAID）の一種であり、主に疼痛の治療に用いられます。特に、中等度から重度の痛みに推奨されており、様々な投与方法が存在します。

特徴

効果: 投与後1時間以内に効果が現れ、最長8時間ほど持続します。
投与方法: 経口、経鼻、静脈注射、筋肉内注射、点眼薬など、多様な投与方法があります。
* 投与期間: 推奨される投与期間は6日未満と比較的短期間です。

副作用とリスク

一般的な副作用としては、眠気、めまい、腹痛、むくみ、吐き気などが報告されています。しかし、重篤な副作用として、上部消化管出血、腎不全、心筋梗塞、気管支痙攣、心不全、アナフィラキシーなどが挙げられます。特に、妊娠後期または授乳中の女性への投与は推奨されていません。

作用機序

ケトロラクは、シクロオキシゲナーゼ1と2（COX1とCOX2）を阻害することで、プロスタグランジンの生成を抑制し、鎮痛効果を発揮します。

海外での状況

ケトロラクは、1976年に特許を取得し、1989年に医薬品として承認されました。現在では後発医薬品も入手可能です。英国の国民保健サービスでは、1投与あたり1ポンド以下で提供されており、米国での卸売価格は約1.50米ドルです。2017年には、米国で271番目に多く処方された医薬品であり、処方件数は100万件を超えています。

日本における状況

ケトロラクは、日本国内では剤形を問わず未承認です。中外製薬による厚生労働省への答申報告書によれば、国内での製造開発の予定はないとされています。その理由として、以下の点が挙げられています。

1. 代替となる非オピオイド性消炎鎮痛薬が複数存在する。
2. 過去に重篤な副作用（消化管出血など）が多数報告され、販売中止や使用制限が設けられた国がある。
3. 安全性への懸念があり、既存の治療法と比較して有効性・安全性が明らかに優れているとは言えない。
4. 欧米において標準的な治療法として位置づけられていない。

これらの理由から、ケトロラクの医療上の必要性は必ずしも高くないと判断されています。

個人輸入について

ケトロラクは輸入禁止薬には該当しないため、自己治療目的での個人輸入は可能です。ただし、劇薬であり、規制医薬品に分類されるため、1か月以内の服用量に制限されます。主に香港やタイなどの東南アジア圏から輸入代行業者が販売を仲介していますが、重大な副作用のリスクがあるため、使用は慎重に行うべきです。

まとめ

ケトロラクは、効果的な鎮痛剤である一方、副作用やリスクも伴います。特に、日本国内では未承認であり、個人輸入に際しては十分な注意が必要です。医師や薬剤師に相談し、適切な情報に基づいて判断することが重要です。

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