ケマンソウ

ケマンソウ (Lamprocapnos spectabilis)

ケマンソウは、ケシ科ケマンソウ亜科に属する多年草です。観賞用として広く栽培されており、その美しい姿から多くの人に愛されています。特に、特徴的なハート型の花が魅力で、庭園や鉢植えで楽しまれています。

特徴

ケマンソウは、草丈が30cmから60cm程度に成長します。葉は緑白色を帯び、2回3出羽状複葉で、小葉は細かく裂けています。この独特な葉の形状も、ケマンソウの魅力の一つです。

花期は4月から6月にかけてで、斜め上に伸びる総状花序に、可愛らしいハート型の花を多数咲かせます。この花の形が、コマクサの花に似ているとも言われます。花茎はアーチ状に湾曲し、その先に花が連なって咲く様子は、まるで釣竿に鯛がぶら下がっているように見えることから、「タイツリソウ」という別名でも親しまれています。一つの花茎には、最大で15輪ほどの花が咲きます。

ケマンソウは、9月頃になると地上部が枯れて休眠に入ります。繁殖は、主に株分けによって行われます。

花の色

一般的に、花の色は桃色ですが、白色の花を咲かせる品種も存在します。これらの異なる色の花も、観賞価値を高める要素となっています。

名前について

「ケマンソウ」の名前は、仏具の「華鬘（けまん）」に由来しています。華鬘とは、仏像を飾るために用いられる装飾品で、ケマンソウの花の形が、この華鬘に似ていることから、この名前が付けられました。また、別名の「タイツリソウ」は、花の形が鯛が釣られているように見えることから名付けられました。

毒性

ケマンソウの全草、特に根茎と葉には、ビククリンやプロトピンなどの有毒成分が含まれています。誤って摂取すると、嘔吐、下痢、呼吸不全、心臓麻痺などの重篤な症状を引き起こす可能性があります。そのため、小さなお子さんやペットがいる家庭では、特に注意が必要です。ケマンソウを扱う際には、手袋を着用し、口に入れないように十分な注意が必要です。

栽培

ケマンソウは、日当たりの良い場所から半日陰の場所でよく育ちます。水はけの良い土壌を好み、適度な水やりが必要です。耐寒性があるため、比較的育てやすい植物ですが、夏の強い直射日光には弱いので、注意が必要です。また、株分けによって容易に増やすことができるため、初心者にもおすすめです。

まとめ

ケマンソウは、その美しい花とユニークな姿で、多くの人々を魅了する植物です。観賞用として楽しむ一方で、毒性があることを理解し、注意して接することが大切です。庭や鉢植えで育て、その可憐な花を鑑賞してみてはいかがでしょうか。

もう一度検索