ケーブル坂本駅

ケーブル坂本駅：歴史と文化が香る比叡山の玄関口

比叡山鉄道比叡山鉄道線（坂本ケーブル）のケーブル坂本駅は、滋賀県大津市坂本本町に位置し、比叡山へのアクセス拠点として重要な役割を担っています。1927年（昭和2年）3月15日に「坂本駅」として開業、その後、1974年（昭和49年）1月15日に現在の駅名に改称されました。第二次世界大戦中の1945年（昭和20年）3月19日から1946年（昭和21年）8月7日までは休止していましたが、その後再開し、現在に至ります。

古き良き時代の面影を残す駅舎

駅舎は1927年開業当時の建物であり、その歴史的価値から1997年（平成9年）7月15日には国の登録有形文化財に登録されました。洋風木造建築の2階建てで、1階には待合室、切符売場、売店、乗務員控室などが、2階は事務所として使用されています。開業当時からの上屋がホーム全体を覆い、レトロな雰囲気を醸し出しています。1階の入口脇には、役割を終えた架線柱がモニュメントとして保存されており、歴史を感じさせます。駅舎入口の上部には「坂本驛」の旧駅名も残されています。ベンチが置かれた待合室は、旅の疲れを癒すのに最適な空間です。

アクセスと周辺環境

ケーブル坂本駅は、日吉大社の門前町として知られる坂本にあります。周辺には、比叡山延暦寺をはじめとする数多くの寺院や、比叡山中学校・高等学校、延暦寺学園叡山学院などの教育機関が点在しています。また、紅葉の名所として有名な日吉大社も徒歩圏内にあり、観光客にも便利な立地です。駅舎の横には江若交通のバス停留所があり、比叡山坂本駅への連絡バスも運行しています。ただし、山王祭（日吉大社の例大祭）開催時は交通規制の影響でバス運行が変更される場合があります。

駅構造と特徴

ホームは軌道の両側に設置されており、混雑時には両側の扉を開けて乗客の乗降を行う場合があります。軌道は160‰と比較的緩やかな勾配ですが、ホームはゆるやかな階段状になっています。2007年（平成19年）までに軌道から架線が撤去され、現在は駅ホーム部分にのみ蓄電池充電用の剛体架線が設置されています。

歴史的風土保存地区に位置する

ケーブル坂本駅周辺は、日吉大社歴史的風土特別保存地区に指定されており、歴史的建造物や自然環境が大切に保護されています。穴太衆積みの石垣など、歴史を感じさせる風景も残っています。周辺には、日吉東照宮や戒蔵院といった史跡も多く点在し、歴史散策にも最適な場所です。滋賀県道47号伊香立浜大津線と滋賀県道316号比叡山線も駅近くを通っています。

比叡山へのアクセス

ケーブル坂本駅は、比叡山への玄関口として、多くの観光客や参拝客で賑わいます。比叡山延暦寺へのアクセスも容易で、豊かな自然と歴史に触れ合える旅の出発点として最適な場所です。比叡山への観光を計画する際には、ぜひケーブル坂本駅をご利用ください。 また、NHKアーカイブスでは「動画で見るニッポンみちしる ケーブル坂本駅」として、動画による紹介もされています。文化庁の「比叡山鉄道ケーブル坂本駅舎」ページでも、駅舎の詳しい情報が公開されています。

隣の駅

* ほうらい丘駅

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