コウ馺特勤

㕎馺特勤（こうそうテギン、拼音：Kèsà Tèqín、Kasar'ı Tägin）は、9世紀の回鶻可汗国第13代可汗です。特勤（テギン、Tägin）は官名であり、可汗号は不明確です。

生涯

839年、宰相の掘羅勿（キュレビル、Küräbir）が、彰信可汗を討ち、㕎馺特勤を擁立しました。当時の回鶻は、疫病、飢餓、大雪といった災害に見舞われ、国力は大きく衰退していました。

このような状況下、将軍の句録莫賀（キュリュグ・バガ）は、掘羅勿を恨み、北方の黠戛斯（キルギス、Qïrqïz）軍を招き入れました。黠戛斯軍は回鶻城（オルド・バリク）を攻撃し、㕎馺可汗と掘羅勿を殺害、牙帳を焼き払いました。この事件により、回鶻は四散し、一部は葛邏禄（カルルク、Qarluq）、吐蕃、安西（亀茲）などへ逃れました。可汗の牙帳近くにいた13部は、烏介特勤（ウゲ・テギン、Ügä Tägin）を新たな可汗に推戴し、錯子山に拠点を築きました。

㕎馺特勤の死後、回鶻可汗国は崩壊し、モンゴル高原における覇権を失いました。黠戛斯は太和公主を得ています。

可敦（カトゥン：皇后）

仁孝端麗明智上寿可敦（太和公主）は、憲宗の娘で、穆宗の妹。レビラト婚により㕎馺特勤に嫁ぎました。


回鶻可汗国は㕎馺特勤の死によって終焉を迎え、中央アジアの歴史に大きな影響を与えました。

参考文献

『旧唐書』（列伝第一百四十五　迴紇）
『新唐書』（列伝第一百四十二下 回鶻下）

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