コナベ古墳

コナベ古墳概要

コナベ古墳（こなべこふん）は、奈良県奈良市法華寺町に位置する前方後円墳であり、佐紀盾列古墳群の一部を形成しています。この古墳の正確な被葬者は明らかにされていませんが、宮内庁によって「小奈辺陵墓参考地」として指定されており、被葬候補者としては第16代仁徳天皇の皇后、磐之媛命が考えられています。

位置と規模

コナベ古墳は、奈良市北部の佐紀丘陵南西斜面の先端に立地しています。周囲には60を超える古墳が存在する佐紀盾列古墳群の一部であり、特にウワナベ古墳やヒシアゲ古墳と近接しています。墳丘の長さは204メートルで、全国的に見ても31位にランクされる大きさを誇ります。後円部分は直径125メートル、高さ20メートル、前方部分は幅129メートル、高さ17.5メートルで、前方部はほぼ南向きに配置されています。

コナベ古墳とウワナベ古墳は、共に200メートルを超える規模で、両者の間には密接な関係があるとされています。考古学者によると、コナベ古墳は歴史的にもやや古いとみられ、墳形の特徴からは、他の古墳と相似点が見られます。

付属設備と遺物

コナベ古墳には、盾形の周濠が存在し、三段に築成されたそれぞれの段には円筒埴輪が配置されています。さらには、左右のくびれ部分には台形の造出しがあり、葺石も見つかっています。1696年には松下見林によって、この古墳に関する記録が残されました。

墓の調査は何度も行われており、1979年には南側外堤の工事に伴う発掘調査が行われ、円筒埴輪列が発見されました。埴輪は、黒斑がある特徴的なもので、この調査を通じて同時代の他の古墳とも関係があることが示唆されています。

また、2008年には住宅建設に伴い、さらに遺構の発掘調査が実施され、奈良時代の文化的な要素が示されました。古墳の周囲には十基の陪塚が並んでおり、細やかな研究が進められています。これらは古墳時代中期の陪塚として知られ、古墳との関連が考察されています。

航空レーザー計測

2009年末から2010年初頭にかけては、コナベ古墳を対象に航空レーザー計測が実施されました。この方法は、ヘリコプターからレーザー光を照射し、得られたデータから三次元画像を生成する技術です。この計測は、古墳の詳細な形状や三段築成の状態を精密に再現するもので、立ち入りが難しい古墳の状態を可視化する上で注目されています。

まとめ

コナベ古墳は、その規模や歴史的背景において重要な古墳であり、今後もさらなる研究が期待されています。古墳は現在、樹木に覆われて多くの野鳥も生息している静かな場所に立地しています。被葬者の正体は不明ですが、コナベ古墳は日本の古代史において重要な位置を占めているのは間違いありません。

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