コーディ (ワイオミング州)

ワイオミング州コーディ：西部開拓時代の息吹を感じる町

コーディは、アメリカ合衆国ワイオミング州の北西部、ビッグホーン盆地に位置する都市です。パーク郡の郡庁所在地であり、人口は約1万人（2020年）の小都市ながら、その名は西部開拓時代の英雄、バッファロー・ビルことウィリアム・フレデリック・コーディに由来します。

西部開拓時代の面影を色濃く残す町

コーディは、開拓時代のカウボーイ文化が今もなお色濃く残る町として知られています。特に「オールド・トレイル・タウン」と呼ばれる歴史地区には、当時の街並みが再現されており、まるで西部劇の世界にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。また、町の中心部にはバッファロー・ビルの銅像が建てられており、町の象徴となっています。

この地では、バッファロー・ビル・コーディ・スタンピード・ロデオやコーディ・ナイト・ロデオといった、ロデオ大会が盛んに開催され、多くの観客で賑わいます。さらに、路上ではガンファイトショーなどのパフォーマンスも行われ、西部開拓時代の雰囲気を肌で感じることができます。また、ショショーニ族、シャイアン族、クロウ族といった平原インディアンによるパウワウも開催され、多様な文化に触れることができます。

コーディの歴史

コーディの歴史は、1896年にバッファロー・ビルことウィリアム・フレデリック・コーディが、ジョージ・T・ベックらと共に、現在の「オールド・トレイル・タウン」にコミュニティを創立したことに始まります。彼らは、運河を建設しビッグホーン盆地の土地を灌漑し、ショショーニ族の土地と灌漑会社を設立しました。キャリー法（Carey Act）による水源の販売利益による開拓を期待していました。バッファロー・ビルは町の創立に尽力し、彼の功績を称え、町はコーディと名付けられました。その後、ワイオミング州最古の商工会議所であるコーディ国商工会議所などが建てられ、町は発展を遂げました。

1902年には町が合併し、バッファロー・ビルは丸太造りのホテルを建て、娘アニーの名を付けました。さらに、バーリントン鉄道を誘致し、イエローストーン国立公園東部への開拓の道を開きました。町をさらに発展させるために、バッファロー・ビルは友人のセオドア・ルーズベルト大統領に、アメリカ開墾局の設立と、ショショーニ・プロジェクトと呼ばれるダムとため池の建設を要請しました。このプロジェクトは1905年に始まり、1910年にバッファロー・ビル・ダムが完成しました。1909年にはパーク郡が組織されました。1930年代の世界恐慌の際には打撃を受けましたが、第一次世界大戦までコーディは急速な成長を遂げました。

コーディの地理と観光名所

コーディは、ロッキー山脈のアブサロカ山脈とビッグホーン山脈に囲まれたビッグホーン盆地に位置し、標高は約1,520メートルです。町の西約80キロメートルには、アメリカを代表する国立公園の一つであるイエローストーン国立公園があります。

町には、バッファロービル州立公園、ミーティートス銀行博物館、テカムセの旧西ミニチュアビレッジ＆博物館、ビッグホーンキャニオン国立保養地など、多くの観光名所があります。また、イエローストーン国立公園への玄関口としても知られ、多くの観光客が訪れます。

コーディ出身の著名人

コーディは、多くの上院議員や著名人を輩出しています。その代表的な人物としては、アラン・K・シンプソン、エドワード・ヴィヴィアン・ロバートソン、クレイグ・L・トーマスといった上院議員が挙げられます。また、プロレスプロモーターやプロデューサーとして知られるエリック・ビショフや、抽象表現主義の画家ジャクソン・ポロックもコーディとゆかりのある人物です。

コーディは、西部開拓時代の歴史と文化、そして豊かな自然に恵まれた魅力的な町です。イエローストーン国立公園への旅の拠点としても、ぜひ訪れてみてください。

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