快速「サンポート」は、
四国旅客鉄道(JR四
国)が主に
香川県の高松駅を発着点として運行している
快速列車に与えられた愛称です。その名称は、列車の起点である
高松市にある、海に面した近代的な再開発エリア「サンポート高松」に由来しています。主に
予讃線を経由して
多度津駅、観音寺駅、
伊予西条駅、松山駅方面へ、また一部列車は
土讃線を経由して
琴平駅まで乗り入れており、高松都市圏とその周辺を結ぶ重要な役割を担っています。
運行形態
「サンポート」の運行パターンは時間帯によって変化します。
日中時間帯
日中は、高松駅と観音寺駅、
伊予西条駅、松山駅を結ぶ列車が中心で、およそ1時間間隔で運行されています。停車駅は、高松駅を出ると
端岡駅、
坂出駅に停車し、
坂出駅以西の
予讃線内では各駅に停車します。一部の列車では先行する普通列車を追い越すことがありますが、乗り換えを考慮した緩急接続はほとんど行われません。高松駅と
坂出駅の間では、快速「
マリンライナー」と合わせて1時間に3本の
快速列車が設定されており、利便性の高いサービスを提供しています。
ラッシュ時間帯
朝および夕方のラッシュ時には、停車駅が高松駅、
鬼無駅、
端岡駅、
国分駅、
鴨川駅、
坂出駅(
坂出駅以西は各駅停車)となる列車が一部存在します。特に朝の上り列車の中には、
鴨川駅で普通列車との接続を行うものもあります。夕方の下り列車は、朝の上り列車とは異なり、
鬼無駅と
国分駅には停車せず、高松駅、
端岡駅、
鴨川駅、
坂出駅(
坂出駅以西は各駅停車)に停車し、一部列車が
鴨川駅で普通列車との接続を行います。
特急列車との接続
日中およびラッシュ時の一部列車は、
宇多津駅、
丸亀駅、
多度津駅などで特急「南風」との接続を考慮したダイヤが組まれています。これにより、「しまんと」が運行されない時間帯において、高松駅と高知方面を結ぶ乗り継ぎ列車としての機能も果たしています。これは、「サンポート」の前身である快速「南風リレー号」が運行されていた頃から受け継がれている形態です。過去には特急「しおかぜ」への接続を目的とした「しおかぜリレー号」も存在しました。
2008年3月のダイヤ改正からは、「南風」への乗り継ぎが可能な列車に「サンポート南風リレー号」という愛称が再び与えられ、運転されています。
「サンポート」の登場以前、高松駅と
多度津駅の間では、現在の「サンポート」に近い停車駅を持つ快速「南風リレー号」(あるいは「しおかぜリレー号」)や、
香西駅、
讃岐府中駅、
八十場駅、
讃岐塩屋駅を通過する形態の普通列車が運行されていました。特に後者の普通列車は、
国鉄時代にはこれらの駅に停車する本数が限定的でした。
停車駅
基本的な停車駅は以下の通りです。
高松駅 -
端岡駅 -
坂出駅 - (
坂出駅以西は各駅停車)
ただし、朝夕の一部上り列車は上記の停車駅に加えて
鬼無駅と
国分駅にも停車します。また、朝夕の一部上り列車と夕ラッシュ時以降の下り列車は
鴨川駅にも停車します。
使用車両
現在使用されている車両
6000系
7000系
7200系
これらの車両の大部分は高松運転所に所属しており、一部の7000系のみ松山運転所の所属です。かつては6000系と7000系の一部車両で、「快速」の種別表示ができなかったため、「快速サンポート」と表記されたヘッドマークが装着されていました。しかし、2022年度から2023年
3月にかけて順次種別・行先表示器が更新され、「快速サンポート」の表示が可能になったことで、2023年
3月17日の運行をもってヘッドマークの掲出は終了しました。なお、5000系やJR西日本の223系5000番台にも「快速サンポート」の表示幕は用意されていますが、実際に使用された実績はありません。
過去に使用されていた車両
キハ58形・キハ65形:
2008年3月まで、高松駅 -
阿波池田駅間の上り1本に連結されていました。
113系: 2019年
3月のダイヤ改正で定期運用から引退しました。
121系: 7200系への改造が進み、形式自体が消滅しました。
沿革
「サンポート」は、高松都市圏の鉄道輸送サービスを向上させることを目的として、
2002年3月23日に運転を開始しました。それまで運行されていた快速「南風リレー号」を発展させる形で、当初は下り20本、上り22本が設定されました。
2003年10月1日には上り1本が普通列車に変更され、本数が若干減少しました。
2005年3月からは、日中の高松駅発車時刻において、「サンポート」と「
マリンライナー」が15分間隔となるダイヤが組まれましたが、
2008年3月15日の改正でこのパターンは崩れました。また、この改正で高松駅 -
坂出駅間では、一部例外を除き日中は各駅停車が先に到着するダイヤに変更されています。2011年
3月12日には、日中(10時~15時台)の高松駅 -
琴平駅間を結んでいた列車が普通列車に変更され、この時間帯の「サンポート」は1時間間隔での運行となりました。