ザガジグ

ザガジグの概要

ザガジグはエジプト北部に位置する町で、シャルキーヤ県の県都として知られています。この地域は、ナイル川デルタの東部にあり、豊かな自然環境に恵まれています。1999年の時点での人口は約27万9000人で、フレッシュ・ウォーター運河の支流、ムジズ運河に沿って発展してきました。また、この町は首都カイロから鉄道で北北東に76キロメートルの距離にあります。

経済と産業

ザガジグは肥沃なデルタ地域に位置し、エジプトにおける綿花や穀物の取引の中心地としての役割を果たしています。地元の産業は、主に農業や綿花の生産に依存しており、ヨーロッパの商社が大規模な綿花工場を運営しています。農業の発展は、この地域の経済に大きな影響を与えています。

教育機関

市内にはザガジグ大学があり、国内最大級の大学として知られています。この大学は、理系・文系を問わず多くの学部を有し、地域の教育水準向上に寄与しています。また、世界最大のイスラム系大学であるアル＝アズハル大学の分校もあり、様々な学問分野での教育が行われています。

歴史的背景

ザガジグから南東に約3キロメートルの場所には、古代エジプトの都市ブバスティスの遺跡があります。ブバスティスは、古代エジプトの18番目のノモスであり、女神バステトに因んで名付けられた町です。この地は第22王朝と第23王朝の首都であり、オソルコン2世やネクタネボ2世が建設した寺院の跡が残っています。特に古王国時代には聖なる猫が葬られたカタコンベも存在しており、歴史的価値が高い場所とされています。

ザガジグゆかりの人物

ザガジグの歴史と文化には、数多くの著名な人物が関与してきました。例えば、アフマド・オラービー大佐は、1882年にイギリスの植民地支配に対する大規模な反乱を指導した軍人として知られています。この町には「オラービー博物館」という小さな博物館があり、彼の業績に関する考古資料が展示されています。

他にも、ジャーナリストであり哲学者として活動したサラーマ・ムーサや、近代アラビア詩の先駆者であるサラー・アブド・エルサブールなど、多くの文化人がこの町から輩出されています。さらに、エジプト第5代大統領であったムハンマド・ムルシーもザガジグの出身です。

まとめ

その歴史的背景、豊かな文化、教育機関の充実により、ザガジグはエジプトの中でも特異な存在感を持つ町といえます。観光名所もあり、地域の生活や文化を知る上で重要なポイントとなるでしょう。

もう一度検索