ザ・シングル・ヒッツ・コレクション:ライヴ前編

ジェネシス - ザ・シングル・ヒッツ・コレクション:ライヴ前編

『ザ・シングル・ヒッツ・コレクション:ライヴ前編』（原題: The Way We Walk, Volume One: The Shorts）は、イングランドを代表するプログレッシブ・ロック・バンド、ジェネシスが1992年11月に発表した通算4作目のライブ・アルバムです。

ヴァージン・レコード（英国）とアトランティック・レコード（米国）から発売された本作は、バンドが過去に行った大規模なツアーから選りすぐったライブ音源で構成されています。具体的には、1986年から1987年にかけて敢行された「インヴィジブル・タッチ・ツアー」と、1992年の「ウィ・キャント・ダンス・ツアー」という二つの時期のパフォーマンスが収録されています。

アルバムタイトルの「The Shorts」が示す通り、このアルバムはジェネシスのキャリアの中でも特に広く知られたヒットシングルを中心に選曲されている点が大きな特徴です。彼らのポップ志向が色濃く反映された時期の代表曲が、迫力あるライブ演奏で楽しめます。

演奏メンバーは、バンドの中心を担うフィル・コリンズ（ボーカル、ドラム、パーカッション）、トニー・バンクス（キーボード、バッキング・ボーカル）、マイク・ラザフォード（ギター、ベース、バッキング・ボーカル）に加え、長年にわたり彼らのライブを支えてきた重要なサポートメンバー、チェスター・トンプソン（ドラム、パーカッション）とダリル・ステューマー（ギター、ベース、バッキング・ボーカル）が参加しています。彼ら鉄壁の布陣による息の合ったパフォーマンスが、各楽曲に新たな息吹を吹き込んでいます。

商業的にも成功を収めた本作は、母国イギリスのアルバムチャートで最高位3位、アメリカのBillboard 200でも35位を記録しました。また、アメリカレコード協会（RIAA）からは50万枚の出荷を記念してゴールド認定を獲得しています。

本作のリリースから間もない1993年1月には、続編となるライブ・アルバム『もうひとつのジェネシス:ライヴ後編』（原題: The Way We Walk, Volume Two: The Longs）がリリースされました。こちらは対照的に、彼らのプログレッシブな側面を反映した長尺で複雑な構成の楽曲を中心に収録されており、この「ライヴ前編 (Shorts)」と併せて聴くことで、ジェネシスのライブパフォーマンスの多様性をより深く理解することができます。

収録曲

全曲、トニー・バンクス、フィル・コリンズ、マイク・ラザフォード作曲。

1. 「混迷の地」 - "Land of Confusion" (1992年7月11日、ドイツ・ハノーヴァーにて録音) - 5:16
2. 「ノー・サン・オブ・マイン」 - "No Son of Mine" (1992年7月13日、ドイツ・ハノーヴァーにて録音) - 7:06
3. 「ジーザス・ヒー・ノウズ・ミー」 - "Jesus He Knows Me" (1992年7月11日、ドイツ・ハノーヴァーにて録音) - 5:24
4. 「スロウイング・イット・オール・アウェイ」 - "Throwing It All Away" (1992年8月2日、イングランド・ネブワースにて録音) - 6:02
5. 「アイ・キャント・ダンス」 - "I Can't Dance" (1992年7月13日、ドイツ・ハノーヴァーにて録音) - 6:54
6. 「ママ」 - "Mama" (1987年7月4日、イングランド・ロンドン・ウェンブリーにて録音) - 6:50
7. 「ホールド・オン・マイ・ハート」 - "Hold on My Heart" (1992年7月10日、ドイツ・ハノーヴァーにて録音) - 5:41
8. 「ザッツ・オール」 - "That's All" (1987年7月4日、イングランド・ロンドン・ウェンブリーにて録音) - 4:59
9. 「イン・トゥー・ディープ」 - "In Too Deep" (1986年10月、アメリカ・ロサンゼルスにて録音) - 5:36
10. 「トゥナイト、トゥナイト、トゥナイト」 - "Tonight, Tonight, Tonight" (1992年7月13日、ドイツ・ハノーヴァーにて録音) - 3:36
11. 「インヴィジブル・タッチ」 - "Invisible Touch" (1992年7月13日、ドイツ・ハノーヴァーにて録音) - 5:41

参加ミュージシャン

ジェネシス

フィル・コリンズ – ボーカル、ドラム、パーカッション
トニー・バンクス – キーボード、バッキング・ボーカル
マイク・ラザフォード – ギター、ベース、バッキング・ボーカル

アディショナル・ミュージシャン

ダリル・ステューマー – ギター、ベース、バッキング・ボーカル
* チェスター・トンプソン – ドラム、パーカッション

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