シャトーゲイ (競走馬)

シャトーゲイ（1960年2月29日 - 1985年5月9日）は、アメリカで生まれ、輝かしい競走馬としてのキャリアと、日本における種牡馬としての成功を収めたサラブレッドです。ニューヨーク州の地名に由来するその名を持つ彼は、1963年のケンタッキーダービーとベルモントステークスの二冠を達成したことで知られています。

シャトーゲイは、ダービーダンファームのオーナー、ジョン・ガルブレスによって生産されました。2歳時は呼吸器系の問題を抱え、デビューが遅れましたが、持ち前の能力を発揮し、5戦2勝という成績を残しました。3歳シーズンには管骨瘤という病気も克服し、ブルーグラスステークスでステークス競走初勝利を飾ります。クラシック戦線への挑戦を前に、オーナーのガルブレスは幸運を呼ぶとされる叉骨を馬に括りつけたという逸話も残されています。

当時、シャトーゲイの同世代には、最優秀2歳牡馬のネヴァーベンド、サンタアニタダービーを制したキャンディスポッツ、ウッドメモリアルステークスを勝利したノーロバリーなど、強力なライバルがいました。ケンタッキーダービーでは、これらの強豪を相手に4番人気という評価でしたが、レースでは見事な末脚を繰り出し、ネヴァーベンド、キャンディスポッツらを抑えて優勝を手にしました。この勝利は、シャトーゲイの鞍上を務めたブラウリオ・バエザにとっても初のケンタッキーダービー制覇となりました。また、北米出身者以外では史上初の快挙でもありました。

しかし、ケンタッキーダービーの勝利にもかかわらず、その勝利はフロック視され、評価は高くありませんでした。続くプリークネスステークスでは、キャンディスポッツに敗れ2着に終わります。調教中に予想外の猛スピードで走ったことが、この敗因の一つとして挙げられました。

続くベルモントステークスは、ベルモントパーク競馬場のスタンド工事のためアケダクト競馬場で行われました。ここでは、再びキャンディスポッツとの対戦となりましたが、シャトーゲイは、レース終盤でキャンディスポッツを捉え、2馬身半差をつけて優勝。見事に二冠を達成しました。その後もジェロームハンデキャップで勝利を収めるなど活躍を続けましたが、3歳時に負った足首の故障が回復せず、以後は大きな勝ち星を挙げられませんでした。5歳まで競走生活を続け、引退しました。

引退後は種牡馬となりました。アメリカではサバーバンハンデキャップ優勝馬トゥルーナイトなど、一定数の活躍馬を輩出しましたが、大きな成功とはなりませんでした。

1972年、シャトーゲイは日本に輸出され、北海道三石町の大塚牧場で繋養されることになります。日本では541頭の産駒を送り出し、その中には、1981年の朝日杯3歳ステークスを制覇し、最優秀3歳牡馬に選ばれたホクトフラッグなどの重賞勝ち馬が多数含まれています。メトロジャンボ、トウショウレオ、グアッシュアウトなど、多くの活躍馬を輩出しました。

さらに、シャトーゲイは母父としても大きな影響力を持っていました。母の父として、イギリスダービー優勝馬ヘンビット、日本ダービー優勝馬メリーナイス、天皇賞（春）・秋などG1を多数制覇したタマモクロス、など、数多くの名馬を輩出しました。

シャトーゲイは、1985年5月9日、大塚牧場でその生涯を終えました。ケンタッキーダービーとベルモントステークスの優勝馬として、そして日本の競馬界に多大な貢献をした種牡馬、母父として、その名は長く記憶されるでしょう。彼の血統は、現在も多くのサラブレッドに受け継がれています。

シャトーゲイの全姉であるプリモネッタも、1962年のアメリカ最優秀古牝馬に選出され、繁殖牝馬としても成功を収めています。優れた遺伝子を受け継いだシャトーゲイの血統は、競走馬としてだけでなく、種牡馬・母父としても大きな成功を収めたことを示しています。彼の功績は、競馬史に大きな足跡を残しました。

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