シーラーズ

シーラーズについて

シーラーズは、イラン南西部に位置する都市で、ファールス州の州都です。この都市は、1750年から1794年までザンド朝ペルシアの首都として栄えました。1996年の時点での人口はおよそ1,050,000人に達しています。

地名の由来

シーラーズの名前は古代から変遷を経ており、エラム語の「ティラズィシュ」という名称が起源とされ、これが徐々にシャー族の言葉を経て、現在のペルシア語で「シーラーズ」と呼ばれるようになりました。

歴史

シーラーズは伝説によれば、初代統治者タフムーラスによって築かれたと言われています。この地方は紀元前700年頃からアケメネス朝ペルシア帝国の中心地として栄え、ペルセポリスなどのその遺跡は現在も残っています。7世紀ごろからアラブ人の影響を受け、ブワイフ朝の都として発展し、さらにはモスクや城壁が整備されました。13世紀以降は学問や文化の発展が進み、多くの著名な詩人や哲学者がシーラーズを拠点に活動しました。

シーラーズはまた、チンギス・カンの軍勢に侵攻され、その後も多くの戦争や自然災害に見舞われましたが、特に16世紀にはサファヴィー朝によって都市が整備され、急速に発展しました。しかし、1724年にはアフガニスタン人に征服されたり、ナーディル・シャーの時代には蜂起によって再度の破壊を経験するなど、波乱の歴史を辿ります。

1750年にザンド朝が成立すると、シーラーズは再び重要な都市として繁栄を取り戻し、カリーム・ハーンにより多くの建設が行われましたが、その後の時代の変遷とともに徐々に衰退していくことになりました。

地理と気候

シーラーズはザグロス山脈の中に位置し、標高1486mの高原都市です。この地域はケッペンの気候区分においてステップ気候に属し、夏は高温で、冬は寒暖差の大きい気候特徴があります。気候の恵まれた土地では、ブドウや柑橘類などの農作物の栽培も盛んです。

経済

シーラーズの経済は多様で、セメント製造や肥料、繊維製品などの産業が発展しています。また、電気産業や石油精製でも重要な役割を担っています。さらに、シーラーズの絨毯や花の栽培も非常に有名です。

交通

シーラーズ国際空港は、イラン国内で2番目に利用者の多い空港であり、国内外の交通の要所となっています。地下鉄と鉄道も整備されており、交通の便も良い都市です。

教育

シーラーズにはシーラーズ大学や医科大学など、質の高い教育機関が揃っています。多くの優れた学者や専門家がこの地で学び、育っています。

名所・旧跡

シーラーズは様々な歴史的・文化的な名所が点在しており、ハーフィズ廟やサアディー廟、さらに周辺にはペルセポリスなどの壮大な遺跡もあります。これらの文化遺産は、シーラーズの長い歴史とその文化の豊かさを物語っています。

シーラーズはその歴史的背景、地理的特性、および文化的な名所から、多くの訪問者に親しまれています。

もう一度検索