ジェームス・B・ランパート

ジェームス・ベンジャミン・ランパートの生涯

ジェームス・ベンジャミン・ランパート（James Benjamin Lampert, 1914年4月16日 - 1978年7月10日）は、アメリカ陸軍の軍人であり、最終階級は陸軍中将でした。彼は、琉球列島高等弁務官（1969年1月28日 - 1972年5月14日）としての職務で知られていますが、そのキャリアは多岐にわたり、軍人、技術者、教育者としての側面も持ち合わせていました。

生い立ちと青年期

1914年4月16日、ランパートはワシントンD.C.で生まれました。父親は陸軍中佐でありましたが、彼が幼い頃にヨーロッパでの任務中に亡くなりました。父親の死後、ランパートは母親とともにウィスコンシン州に移り住み、そこで幼少期を過ごしました。1936年には陸軍士官学校を卒業し、少尉に任官しました。士官学校では276人中36番という優秀な成績を収めました。卒業後、野戦砲兵隊に配属されましたが、すぐにアメリカ陸軍工兵司令部に異動しました。その後、マサチューセッツ工科大学で土木工学を学び、修士号を取得しました。

軍歴

第二次世界大戦が始まると、ランパートは南太平洋のフィジー諸島やソロモン諸島で航空工兵大隊を指揮しました。1944年1月には、第14軍団工兵隊の技術将校に任命され、ルソン島の戦いやマニラでの戦いにも参加しました。戦中、ランパートは銀星章、勲功章、青銅星章を受章しました。戦後、彼は原子力発電所の開発やアメリカ空軍の特殊武器計画にも携わり、マンハッタン計画を指揮したレズリー・グローヴス中将の下で働きました。

1949年から1952年にかけて、ランパートはサウスカロライナ州チャールストンとオクラホマ州タルサの工兵管区司令官を務め、その後、米軍統合原子力プログラムの責任者となりました。1957年にはアメリカ合衆国国防大学で学び、その後、南ベトナムのサイゴン（現在のホーチミン）で南ベトナム米軍事援助顧問団の兵站部副部長に任命されました。ベトナムから帰国後、国防総省の工兵総監部で軍事建設指揮官、米陸軍士官学校校長（1963年～1966年）、国防副次官補（1966年～1968年）を歴任しました。

琉球列島高等弁務官

ランパートは、1969年1月28日から1972年5月14日まで、琉球列島高等弁務官を務めました。沖縄返還が決定していた時期であり、彼は琉球政府や日本政府と協力し、返還に向けた施策を推進しました。米軍に直接関係のない問題については琉球政府への干渉を控え、穏健な姿勢を貫きました。退任後、日本政府から民政安定に尽力したとして、勲一等旭日大綬章が贈られました。

退役後

退役後、ランパートは陸軍士官学校同窓会の理事を務め、1978年には同窓会会長に就任しました。1978年7月10日、彼はワシントンD.C.のウォルター・リード陸軍医療センターで亡くなりました。

まとめ

ジェームス・ベンジャミン・ランパートは、軍人としての卓越したキャリアだけでなく、技術者、教育者としての才能も持ち合わせた人物でした。特に、琉球列島高等弁務官としての功績は大きく、沖縄返還という歴史的な転換期において、日本とアメリカの友好関係を築く上で重要な役割を果たしました。

参考文献

沖縄県公文書館
琉球文化アーカイブ USCAR収録写真集 ジェームス・B・ランパート中将
* 守礼の光 - 米国琉球列島高等弁務官府機関誌 - ウェイバックマシン（2004年6月26日アーカイブ分）

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