ジェームズ・バリー・ミューニック・ヘルツォーク

ジェームズ・バリー・ミューニック・ヘルツォーク：南アフリカの政治家、軍人、そして国民党の創設者

ジェームズ・バリー・ミューニック・ヘルツォーク（1866年4月3日 - 1942年11月21日）は、南アフリカの政治史において重要な役割を果たした人物です。彼は政治家、軍人として活躍し、国民党を創設しました。アフリカーナーの地位向上と南アフリカの独立に大きく貢献しました。

生涯

ヘルツォークは、1866年にケープ植民地（現在の西ケープ州）で生まれました。ステレンボッシュのヴィクトリア・カレッジ（現在のステレンボッシュ大学）で法学を学び、その後アムステルダム大学で法学博士号を取得しました。1892年に南アフリカに戻り、プレトリアで弁護士として活動した後、オレンジ自由国の高裁判事に任命されました。

1899年から1902年のボーア戦争では、オレンジ自由国軍副司令官としてゲリラ戦を指揮し、その名を知らしめました。彼は和平交渉にも参加しましたが、その内容には不満を抱いていました。

戦後、ヘルツォークはアフリカーナーの復権を目指し、オランヒア・イニ（オレンジ同盟）党を結党しました。1907年の選挙で同党が勝利すると、彼はオレンジ川植民地内閣で司法長官兼教育長官に就任し、オランダ語を英語と同等の教育言語とする法案を議会で成立させました。この際、ヤン・スマッツとの間で教育言語を巡る論争があり、後の二人の政治的対立の始まりとなりました。

1910年に南アフリカ連邦が成立すると、ヘルツォークは法務大臣として入閣しましたが、1914年に辞任し、国民党を結党しました。国民党は、下層のアフリカーナーや労働者の支持を集め、第一次世界大戦への参戦に反対するアフリカーナーからも広く支持されるようになりました。1924年の選挙で国民党は勝利し、ヘルツォークは首相に就任しました。

首相として、ヘルツォークはアフリカーナーの地位向上のために様々な政策を実施しました。農産物市場の保護、白人労働者の保護、白人女性への参政権付与などを行い、1925年には公用語をオランダ語からアフリカーンス語へと変更しました。

また、ヘルツォークは南アフリカの主権確立に尽力し、1931年のウェストミンスター憲章採択によって、南アフリカはイギリス連邦内の独立国となり、内政・外交における完全な主権を獲得しました。1934年の連邦地位法によって、南アフリカの主権国家としての地位が確立しました。

1933年、大恐慌の影響で南アフリカが混乱する中、ヘルツォークの国民党とスマッツの南アフリカ党は連立政権を樹立し、ヘルツォークが首相、スマッツが副首相となりました。両党は翌年合同し連合党となりましたが、第二次世界大戦の勃発を巡り、中立を主張するヘルツォークと連合国側での参戦を主張するスマッツとの間で対立が激化しました。議会の採決でスマッツ派が勝利し、ヘルツォークは首相を辞任しました。

1942年11月21日、ヘルツォークはプレトリアで生涯を閉じました。

ヘルツォークの生涯は、アフリカーナーの権利擁護と南アフリカの独立という二つの目標に捧げられました。彼の政策は、今日の南アフリカ社会にも大きな影響を与えています。

関連項目

国民党 (南アフリカ)
ルイス・ボータ - 初代南アフリカ連邦首相

外部リンク

Musée James Barry Hertzog à Bloemfontein

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