ジャクリーン・ムーア

ジャクリーン・ムーア：プロレス界のレジェンド

1964年テキサス州ダラス生まれのアフリカ系アメリカ人女性、ジャクリーン・ムーアは、プロレスラー、マネージャー、そしてトレーナーとして輝かしいキャリアを築いた伝説的な人物です。WWE殿堂入りを果たした彼女の功績は、プロレス界に多大な影響を与えました。

華麗なるキャリアの始まり

ジェネラル・スカンドル・アクバに師事し、1988年、テキサス州ダラスのWCCWで「スウィート・ジョージア・ブラウン」としてデビュー。その後、1990年にはFMWで日本に初上陸し、土屋恵理子や森松由紀といった日本のトップレスラーたちと対戦。工藤めぐみとのタッグを組むなど、日本マットでも活躍しました。

USWAでのタイトル防衛と多様な活動

1991年からはテネシー州メンフィスのUSWAを拠点に活動。「ミス・テキサス」として活躍し、ドクター・トム・プリチャードのマネージャーを務めながら、ミックスド・タッグマッチにも参戦。1992年、USWA女子王座争奪トーナメントで初代王者に輝き、その後ムーンドッグ・フィフィやルナ・バションらと激闘を繰り広げ、1996年までに通算14回ものタイトル防衛を達成しました。USWAでは「クイーン・モイシャ」というリングネームも使用し、オリジナル版ネーション・オブ・ドミネーションにも所属。その活動は多岐に渡りました。

WCW、そしてWWFへの転身

1997年、WCWと契約。リングネームを「ジャクリーン」に変更し、ケビン・サリバンのマネージャーとしてヒールとして活躍。クリス・ベノワ&ウーマンとの抗争に身を投じ、新日本プロレスの東京ドーム大会にも参戦しました。同年後半にはベビーフェイスに転向し、ハーレム・ヒートのセコンドを務めるなど、活躍の幅を広げました。同年、男性レスラーであるディスコ・インフェルノを破るという快挙も成し遂げています。

1998年にはWWFに移籍。マーク・メロのマネージャーとしてヒールに転向、セイブルと激しい抗争を繰り広げます。そして、空位となっていたWWF女子王座をセイブルから奪取。新チャンピオンに輝きましたが、サバイバーシリーズ1998でセイブルに敗れ王座から陥落しました。1999年にはテリー・ラネルズとタッグチーム「プリティ・ミーン・シスターズ」を結成し、小悪魔的なキャラクターで男性レスラーを翻弄。その後ベビーフェイスに戻り、ファルーク&ブラッドショーのアコライツ・プロテクション・エージェンシーにも加入しました。2000年には女装したハービー・ウィップルマンを破り、再びWWF女子王座に返り咲いています。

トレーナーとしての貢献とWWEクルーザー級王座獲得

2001年にはWWEの選手育成番組『タフ・イナフ』の女性教官に就任。以降、トレーナーやレフェリーとしてWWEに貢献しました。2002年からは選手活動を再開し、トリプル・スレットマッチで女子王座戦に出場。男性レスラーとの対戦も経験し、2004年にはチャボ・ゲレロを破り、WWEクルーザー級王座を獲得するという偉業を達成しました。

TNAでの活躍と殿堂入り

2004年にWWEを離れ、TNAで活躍。ゲイル・キムとの抗争や、ビアマネー・インクのマネージャーなど、重要な役割を果たしました。2011年には一時的にTNAに復帰し、ODBとタッグを組みました。2016年にはWWE殿堂入りを果たし、ダッドリー・ボーイズのババ・レイとディーボンがインダクターを務めました。

得意技と獲得タイトル

ジャクリーン・ムーアの得意技は、トルネードDDT、ジャーマン・スープレックス、スピニング・ヒール・キックなど。数々のタイトルを獲得し、その実力は折り紙付きです。

WWE
WWF女子王座：2回
WWEクルーザー級王座：1回
WWE殿堂：2016年度
USWA
USWA女子王座：14回
UWF
UWF世界女子王座（ハーブ・エイブラハム派）：1回

ジャクリーン・ムーアは、その類まれな才能と情熱でプロレス界に大きな足跡を残した、真のレジェンドです。彼女の功績は、これからも多くのプロレスファンに語り継がれていくことでしょう。

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