ジャレッド・ゴフ

ジャレッド・ゴフ：輝かしいキャリアを築くNFLクォーターバック

ジャレッド・トーマス・ゴフ（Jared Thomas Goff, 1994年10月14日- ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ノバト出身のプロアメリカンフットボール選手であり、NFLのデトロイト・ライオンズに所属しています。ポジションはクォーターバック。

プロ入り前

幼少期からサンフランシスコ・フォーティナイナーズのファンであったゴフは、マリン・カトリック高校卒業後、ボイシ州立大学やカリフォルニア州立大学フレズノ校からの誘いを断り、カリフォルニア大学バークレー校に進学しました。2013年8月には先発QBに指名され、同校史上初のレッドシャツ経験のない1年目QBが開幕先発を務めるという快挙を達成しました。

その後3年間、先発QBとして活躍し、通算パス獲得ヤード12,195、通算TD数96など、計26もの学校記録を打ち立てました。

ロサンゼルス・ラムズ時代

2016年ドラフトにエントリーを表明すると、多くのアナリストが1巡指名を予想。その結果、2016年4月28日、セントルイスから移転したばかりのロサンゼルス・ラムズからドラフト全体1位指名を受けました。ラムズは、全体1位指名権を得るために、テネシー・タイタンズに翌年の指名権を含む計6個の指名権を譲渡しました。

2016年6月9日、ラムズと4年2790万ドルの契約を締結。背番号16は、幼少期に憧れていた49ersのジョー・モンタナに由来します。

開幕から9試合はベテランQBケイス・キーナムのバックアップを務めましたが、チームの成績不振により先発に昇格。プロ初出場となったマイアミ・ドルフィンズ戦では、パス31回中17回成功、134ヤード、0TD、0INTという成績で、チームは10-14で敗れました。

2016年は7試合に出場し、パス205回中112回成功、1,089ヤード、5TD、7INTの成績に終わりました。チームも4勝12敗で地区3位に沈みました。

2017年シーズンは、新任HCのショーン・マクベイの下でプレー。開幕戦のインディアナポリス・コルツ戦で46-9と大勝し、マクベイHCの初陣を飾りました。第9週のニューヨーク・ジャイアンツ戦では、パス22回中14回成功、311ヤード、4タッチダウンを挙げ、週間MVPを受賞。チームも第16週のテネシー・タイタンズ戦に勝利し、2003年以来となる地区優勝を果たしました。初のポストシーズンでは、前年NFCチャンピオンのアトランタ・ファルコンズと対戦しましたが、13-26で敗れました。このシーズンは最終戦を除く15試合に先発し、パス3,804ヤード・28タッチダウンを記録し、ブレイクを果たしました。さらに成功したパスの平均12.9ヤードはリーグトップの成績であり、自身初のプロボウルにも選出されました。

2018年シーズン、第4週のミネソタ・バイキングス戦では465ヤードを投げ、パサーレイティングがパーフェクトとなる158.3を記録。38-31の勝利に大きく貢献し、9月のNFC月間最優秀攻撃選手に選ばれました。第11週のカンザスシティ・チーフス戦では、54-51という激戦を制しましたが、この試合でゴフはラムズ史上初となる複数回の400ヤード超え、4回以上のタッチダウンを記録したQBとなりました。このシーズンは、キャリアハイとなるパス4,688ヤード獲得・32タッチダウンを記録し、2年連続でプロボウルに選出。チームは開幕8連勝を達成するなど13勝3敗の成績で地区連覇を果たし、第2シードを獲得してワイルドカードゲームが免除されました。

プレーオフでは、ディビジョナルラウンドでダラス・カウボーイズ相手にパス186ヤードを記録し、30-22で勝利。自身初のポストシーズン勝利となりました。ニューオーリンズ・セインツと対戦したNFCチャンピオンシップゲームでは、パス297ヤードを記録し、26-23で勝利。第53回スーパーボウルにチームを導きました。しかし、迎えたスーパーボウルでは、ニューイングランド・ペイトリオッツ相手に3-13というロースコアで敗れ、タッチダウンを奪うことができませんでした。

2019年シーズン開幕前には、4年1億3,400万ドルの契約延長に合意。このシーズンはパス4,638ヤード獲得、22タッチダウンを記録しましたが、インターセプトの数が16と増加。チームも9勝7敗でプレーオフ進出を逃しました。

2020年シーズンも開幕から先発出場を続けましたが、第16週のシアトル・シーホークス戦で親指を骨折。プレーオフ出場がかかった翌週のアリゾナ・カージナルス戦を欠場し、控えQBのジョン・ウォルフォードに託すこととなりました。このシーズンは15試合に出場し、パス3,952ヤード、20タッチダウンを挙げました。ラムズは10勝6敗でワイルドカードとしてポストシーズンに進出しました。

シーホークスとのワイルドカードゲームでは、怪我の影響で先発をウォルフォードに譲りましたが、ウォルフォードも負傷退場したためゴフが途中出場。155ヤード、1タッチダウンを挙げ30-20で勝利を収めました。しかし、次戦のグリーンベイ・パッカーズとのディビジョナルラウンドでは18-32で敗れました。

デトロイト・ライオンズ時代

2021年1月31日、マシュー・スタッフォードとのトレードで、複数のドラフト指名権と共にデトロイト・ライオンズに移籍。NFLドラフト全体1位指名選手同士のトレードは、NFL史上初の出来事でした。

開幕戦のサンフランシスコ・フォーティナイナーズ戦では3TDを挙げるも、インターセプトリターンタッチダウンを喫するなど33-41で敗れました。第7週では古巣のラムズと対戦しましたが、19-28で敗れました。チームは引き分けを挟んで開幕10連敗を喫していましたが、第13週のミネソタ・バイキングス戦で41本中25本（61%）のパスを成功させ、296ヤードとタッチダウンを3回挙げ、チームも29-27で勝利を挙げました。この活躍で週間MVPを獲得しました。

このシーズンは14試合に出場し、パス3,245ヤード獲得、19タッチダウン、8インターセプトを記録しました。チームは3勝13敗1分で地区最下位でした。

2022年シーズン、第2週のワシントン・コマンダース戦ではパス256ヤード・タッチダウン4回を記録し、36-27で勝利を収めました。この試合でゴフは「ホームゲーム6戦連続でパスタッチダウンを2回以上記録」というフランチャイズレコードを樹立しました。第4週のシアトル・シーホークス戦では45-48で敗れたものの、タッチダウンパスを4回記録し、移籍後最高となる378パスヤードを獲得しました。

このシーズンは全17試合に先発し、4,438ヤード、29タッチダウン、7インターセプトという成績でした。チームも最終週でプレーオフ進出の可能性が潰えたものの、9勝8敗で5年ぶりにシーズン勝ち越しに成功しました。また、スーパーボウルに出場するジェイレン・ハーツの代替としてプロボウルに選出されました。

2023年シーズンは、第16週でチームを30年ぶりの地区優勝に導きました。プレーオフ初戦では、3年前まで在籍しトレード相手のスタッフォードを擁してスーパーボウルを制覇したロサンゼルス・ラムズを破りました。更にディビジョナル・プレーオフではタンパベイ・バッカニアーズにも勝利しましたが、NFCチャンピオンシップゲームでサンフランシスコ・49ersに敗れました。

ジャレッド・ゴフは、その卓越した才能とリーダーシップで、これからもNFLの舞台で輝き続けることが期待される選手です。

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