ジョン・キャンベル (第2代アーガイル公爵)

第2代アーガイル公 ジョン・キャンベル

第2代アーガイル公ジョン・キャンベル（1678年 - 1743年）は、スコットランドの貴族、そしてイギリスの軍人として名を馳せました。初代アーガイル公アーチボルド・キャンベルを父に持ち、その卓越した才能を受け継ぎました。

生涯

16歳という若さで歩兵連隊の隊長に任命され、大同盟戦争に従軍。その後、グランドツアーを経て見識を広げました。1703年に父の跡を継いでアーガイル公となり、1705年にはイングランド貴族にも列せられました。

スコットランドとイングランドの合同交渉では、国内の説得に尽力し、1707年のグレートブリテン王国成立に大きく貢献。スペイン継承戦争では、マールバラ公ジョン・チャーチルの下で数々の戦いに参戦し、その勇敢さを示しました。ラミイの戦い、アウデナールデの戦い、マルプラケの戦いなどでフランス軍と対峙し、武勲を上げました。

しかし、トーリー党政権との対立から、一時は苦境に立たされます。フランスとの単独和平交渉が進められる中、ホイッグ党と連携して政府を批判。アン女王の崩御後、ジョージ1世の即位を支え、ハノーヴァー朝の下で再び政治の中枢に返り咲きました。

1715年のジャコバイト蜂起では、鎮圧軍を率いて勝利。その後も、王室家政長官、兵站部総監、陸軍元帥などの要職を歴任し、軍事面でもその才能を発揮しました。晩年は、児童養護病院の監督を務めるなど、社会貢献にも尽力。1743年に64歳で亡くなり、ウェストミンスター寺院に埋葬されました。

結婚と子女

ジョン・キャンベルは、生涯で2度の結婚を経験しました。最初の結婚では子供を授かりませんでしたが、2度目の結婚で4人の子供を儲け、彼らの子孫は、スコットランドの歴史に名を残しています。

キャロライン（1717年 - 1794年） - ダルキース伯フランシス・スコットと結婚
エリザベス（1718年 - 1799年） - ジェイムズ・ステュアート＝マッケンジーと結婚
アン（1720年 - 1785年） - ストラフォード伯ウィリアム・ウェントワースと結婚
メアリー（1727年 - 1811年） - コーク子爵エドワード・コークと結婚


ジョン・キャンベルの生涯は、スコットランドとイングランドの歴史が大きく変動する時代を反映しており、彼の軍事的、政治的な手腕は、後世にまで語り継がれています。

参考文献

森護『英国王室史事典』P132。大修館書店、1994年。
リチャード・キレーン著、岩井淳・井藤早織訳『図説スコットランドの歴史』彩流社、2002年。
* 友清理士『スペイン継承戦争 マールバラ公戦記とイギリス・ハノーヴァー朝誕生史』彩流社、2007年。

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