ジョン・ブルミン

ジョン・ブルミン（Jon Bluming）の生涯

ジョン・ブルミン（本名: Johannes Cornelius Bluming、1933年2月6日 – 2018年12月17日）は、オランダの柔道家、空手家、そして格闘家として知られる重要な人物です。彼は極真武道会の会長を務め、多くの弟子を育成しました。身長191cm、体重110kgの大柄な体格を持つブルミンは、オランダの格闘技界の先駆者として評価されており、一時はオランダ国王のボディガードも務めていました。

来歴

1950年、韓国の朝鮮戦争に参加するため国連軍として従軍したブルミンは、負傷を負い日本で治療を受けることになります。この過程で彼は柔道の存在を知り、1953年3月に帰国後に柔道を学び始めました。初めて日本の小柄な選手に投げられた際の衝撃が、柔道への興味を引き起こしたのです。彼は短期間で初段、弐段を取得し、1957年にはヨーロッパ柔道選手権で優勝を果たします。しかし、オランダでは当時柔道の統一組織が存在せず、彼の所属団体は政治的な理由から国際大会に出場することができませんでした。

1959年、ごく少数の道場であった講道館で柔道をさらに深めるために再来日したブルミンは、徐々に他の武道にも魅力を感じるようになります。特に空手には強い興味を抱きましたが、初めて入門した道場では型の重視が強く、彼が求める実戦的な空手とはかけ離れていました。そのため、大山倍達の極真道場を訪れたブルミンは、そこでの本物の空手の存在に感銘を受け、入門を決意しました。

大山道場での修業は厳しく、ブルミンは月曜日から金曜日までの午前中は講道館で、午後には居合道やウエイトトレーニングを行い、夜には大山道場に通う日々でした。週末には生活費を稼ぐために百科事典や生命保険の販売をするなど、多忙な生活を送っていました。大山倍達はブルミンを「極真史上最強の外国人」と評し、彼の技量と存在感を高く評価していました。一方で、周囲の武道仲間からは別の意見があり、ブルミンの修行時代は様々なエピソードに彩られています。

1962年、大山倍達からオランダ支部長としての任命を受けたブルミンは、帰国後に大山道場オランダ支部を設立し、道場を開きました。その後、1966年には黒崎健時をオランダに招き、彼の指導を受けることで道場のレベルを高めていきます。こうして、多くの弟子たちが育成され、その中には後に極真の世界で名を馳せる者が数多く参加しました。

1968年には、極真会館ヨーロッパ地区連盟が設立され、ブルミンはその委員長に任命されました。しかし、1970年代後半になり、彼は極真会館から離れ、新たに「極真武道会」を設立。殴打技、蹴り技、投げ技、寝技、関節技を組み合わせた多様なスタイルを採用し、1980年代にはオランダ全土に20以上の支部を持つ組織へと成長させました。

1993年には大道塾との関係を深め、同年の北斗旗に選手を派遣することを決定します。この時に派遣された選手が後のスター選手となるセミー・シュルトでした。

ブルミンは2018年12月17日に85歳で逝去しました。彼の残した功績と多くの弟子たちが今でも続ける武道に対する情熱は、現在の格闘技界にも大きな影響を与えています。

主な弟子・門下出身者

• - ヤン・カレンバッハ
• - ルック・ホランダー
• - ウィレム・ルスカ
• - ヤン・プラス
• - ロブ・カーマン
• - レミー・ボンヤスキー
• - トム・ハーリック
• - ブランコ・シカティック
• - ピーター・アーツ
• - アーネスト・ホースト
• - セミー・シュルト

ブルミンの影響を受けた弟子たちは、世界各国で活躍しており、彼の武道に対する熱意が今もなお受け継がれています。

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