スコット・ノートン

スコット・ノートン：アメリカのプロレス界の巨星

スコット・ノートン（本名：Scott Michael Norton）は1961年6月15日生まれのアメリカ合衆国出身のプロレスラーで、ミネソタ州ミネアポリスの出身です。彼は、主に新日本プロレスにおいてその名を馳せ、WCW（ワールド・レスリング・フェデレーション）でも活躍しました。日本では「超竜」という異名を持ち、90年代の日本のリングで特に存在感を放った外国人レスラーの一人です。

ノートンは新日本プロレスでIWGPヘビー級王座を2度獲得し、外国人レスラーの中では3人目の戴冠者となりました。また、彼のキャリアはただのプロレスラーにとどまらず、アームレスリングや映画出演を通じても知られる存在でした。少年時代からアームレスリングに情熱を注ぎ、世界大会での優勝を果たすなどの輝かしい成績を残したのが彼のプロレスキャリアの基盤となっています。

プロレスラーとしてのキャリアのスタート

ノートンは1987年にシルベスター・スタローン主演の映画『オーバー・ザ・トップ』に出演し、さらには有名シンガーのプリンスのツアーにもボディーガードとして参加するなど、エンターテイメント業界でも活動していました。そこからプロレスラーとしての道を志し、ロード・ウォリアー・ホークの勧めでブラッド・レイガンズのレッスル道場でトレーニングを始めました。彼はバーン・ガニアやマサ斎藤の指導を受けながらプロレス技術を磨きました。

1989年、AWA（アメリカン・レスリング・アソシエーション）でデビューし、1990年に新日本プロレスに初来日。アームレスリングの実績や映画出演が話題となり、注目されていました。彼の初試合では観客を沸かせ、すぐにそのタフさと存在感を示しました。その後も新日本プロレスで積極的に試合を重ね、外国人レスラーとしてトップの地位を確立しました。

戦歴と称号

ノートンは1992年、トニー・ホームとペアを組んでIWGPタッグ王座を獲得し、翌年にはヘラクレス・ヘルナンデスとも組み、再び王座に輝きました。新日本のレスラーたちは、ノートンを超えることが一つの目標とされるほどの影響力を持つようになりました。彼のニックネームである「超竜」は、週刊ゴングの記者、金澤克彦によって命名されたもので、初来日する前は「怪豪」と呼ばれていました。

1996年にはWCWに進出し、nWoのBチームのメンバーとして活躍します。1998年には永田裕志を破りIWGPヘビー級王座の第23代王者となりました。2001年には佐々木健介を破り第28代王者に再登場するも、その後すぐにタイトルを奪われます。108の試合出場や数々のタイトル獲得は、彼のキャリアのハイライトとなっています。

特徴と技

ノートンのスタイルは、力強い技を基にしたもので、特に「超竜ボム」と呼ばれるパワーボムが彼の決め技の一つです。彼はこの技を使用する際、相手を持ち上げる際の見せ方にもこだわりがあり、リング上での演技性にも力を入れていました。また、パワースラムやラリアットなど、ストレートな力量に自信を持つレスラーでした。

クラシックなパワーファイトを得意とし、多様な技を使用するのではなく、その圧倒的なパワーを生かした戦い方を貫きました。他にもバックフリップ、ジャック・ハマー、喉輪落としやショルダー・ネックブリーカーなど、多数の技を駆使し、彼独自のプレスタイルを確立しています。

現在の活動

近年は体調面から来日する機会は減少していますが、アメリカ・アリゾナでワイルド・ウエスト・チャンピオンシップ・レスリング（WWCW）を設立するなど、プロモーターとしても活動されています。2016年内にはニューヨークのローカル団体にも出場、2017年には新日本プロレスの東京ドーム大会に参加しました。2022年には新日本プロレスのBULLET CLUBに加入し、その存在感を示し続けています。

スコット・ノートンのように、日本のプロレス界でその名を轟かせる外国人レスラーは少なく、その活躍は今なお多くのファンに記憶されています。

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