スズキ・スペーシア

スズキ スペーシア

スズキのスペーシアは、2013年から販売されている軽トールワゴン（軽スーパーハイトワゴン）であり、その派生モデルとして「スペーシア カスタム」、「スペーシア ギア」、「スペーシア ベース」が存在します。

概要

スペーシアは、2008年から販売されていた「パレット」の後継モデルとして登場しました。車名変更の理由として、スズキは室内空間、軽量化、燃費性能の向上を挙げています。パレットから継承された両側スライドドアや副変速機構付CVTに加え、商用モデルもラインナップされるようになりました。ただし、マツダ向けのOEM車であるフレアワゴンには商用モデルは供給されていません。

初代 (MK32S/42S型 2013年 - 2018年)

デザイン

スペーシア

初代スペーシアは、ボディ同色のフロントグリルとブラックアウトされたピラーが特徴です。2013年8月には「レーダーブレーキサポート装着車」が追加され、フロントグリル下部にメッキアクセントが施されました。内装は2トーンカラーのインパネが採用され、後期型ではフロントグリルや内装色が変更されました。ターボモデルの「T」は、白色LEDイルミネーション内蔵のフルメッキグリルを備えています。

スペーシア カスタム / カスタムZ

スペーシアカスタムは、スケルトン構造のフロントグリル、LEDポジションランプ内蔵のヘッドランプ、専用デザインのアルミホイールが特徴です。内装はブラック基調で、シルバー加飾が施されています。後期型ではフロントグリルにメッキが追加され、内装に赤のアクセントが加えられました。カスタムZは、ボンネットフードが高く、ブラック基調のメッキグリルと大型メッキフロントミドルグリル、LEDフォグランプが装備されています。内装はカスタムと同様にブラック基調ですが、チタンシルバー加飾が採用されています。

メカニズム

パワートレイン

初代スペーシアは、スズキグリーンテクノロジーを導入し、全車にアイドリングストップシステムを標準装備しました。減速時のエネルギーを電力に変換する「エネチャージ」や、アイドリングストップ中の冷房効果を維持する「エコクール」も搭載されています。エンジンは、K6A型から軽量なR06A型に置換されました。ボディには高張力鋼板が多用され、徹底的な軽量化により、最軽量モデルは840kgを実現しました。後期型では「S-エネチャージ」が搭載され、モーターアシスト機能が強化されました。ターボ車も後に「S-エネチャージ」に変更されています。

プラットフォーム

初代スペーシアは、2,425mmのロングホイールベースを持つ新プラットフォームを採用しており、広い室内空間を実現しています。最小回転半径は4.2mで、取り回しの良さも魅力です。

安全装備

2013年8月にはレーダーブレーキサポートが導入され、2015年5月にはステレオカメラ方式のデュアルカメラブレーキサポートに変更されました。車線逸脱警報機能やふらつき警報も追加されています。ただし、軽量化のためサイドエアバッグは装備されていません。

装備

初代スペーシアは、リアドアトリムにロールサンシェード、ワンアクションパワースライドドアを備えています。

年表

2013年2月：公式発表、3月に販売開始。
2013年4月：マツダへフレアワゴンとしてOEM供給開始。
2013年6月：スペーシアカスタム発表。
2013年7月：マツダへフレアワゴンカスタムスタイルとしてOEM供給開始。
2013年8月：レーダーブレーキサポート装着車設定。
2013年10月：福祉車両「車いす移動車」発売。
2013年11月：日本カー・オブ・ザ・イヤー「スモールモビリティ部門賞」受賞。
2014年6月：特別仕様車「Xリミテッド」「カスタムXSリミテッド」発売。
2014年7月：「T」にレーダーブレーキサポートを標準装備化。
2014年11月：車いす移動車を一部改良、廉価グレード「E」を新設。
2014年12月：特別仕様車「カスタムJ STYLE」発売。
2015年5月：マイナーチェンジ、S-エネチャージ搭載、デュアルカメラブレーキサポート採用。
2015年8月：ターボ車をマイナーチェンジ。
2015年12月：特別仕様車「Gリミテッド」発売。
2016年12月：スペーシアカスタムZ発売。
2017年10月：スペーシアカスタム生産終了。
2017年12月：フルモデルチェンジに伴い、スペーシアのカタロググレードとカスタムZの生産・販売を終了。
2018年2月：スペーシアの車いす移動車が2代目へフルモデルチェンジ。

2代目（MK33V/53S型 2017年 - ）

デザイン

スペーシア

2代目スペーシアは、フロントグリルが新デザインとなり、赤のアクセントカラーが取り入れられました。内装はブラック基調ですが、「HYBRID X」ではベージュ内装も選択可能です。

スペーシア カスタム

カスタムは、大型化されたフロントメッキグリルとLEDヘッドランプが特徴です。内装はブラックを基調に、ピアノブラックやメッキ加飾が施されています。

スペーシア ギア

ギアは、SUVテイストのデザインで、丸型LEDヘッドランプ、ガンメタリック塗装のパーツ、オレンジのアクセントが特徴です。内装は、ツールボックスをモチーフとしたデザインのインパネアッパーボックスが採用されています。

スペーシア ベース

ベースは、カスタムとギアのデザインを組み合わせ、メッキ部分をブラック加飾化した外観が特徴です。内装にはグレーイッシュブルーのアクセントカラーが使用されています。

メカニズム

ボディ

2代目スペーシアは、大空間設計を意識した見直しが行われ、全高とホイールベースが拡大されました。新プラットフォーム「ハーテクト」の採用により、軽量化を実現しています。室内空間は、高さ、幅、カップルディスタンスが拡大しました。

パワートレイン

マイルドハイブリッドシステムを搭載し、最長10秒間のモーターによるクリープ走行が可能です。パワーモードスイッチが追加され、CVTも新型となりました。ベースはマイルドハイブリッドシステムを搭載しないものの、CVTを搭載したことで優れた燃費性能を実現しています。

安全装備

スペーシア、カスタム、ギアは、SRSサイドエアバッグとカーテンエアバッグが標準装備です。ハイビームアシスト、リアパーキングセンサー、衝突被害軽減ブレーキも搭載されています。2020年8月にはデュアルカメラブレーキサポートが再採用されました。

装備

パワースライドドアには予約ロック機能や一時停止機能が追加され、スリムサーキュレーターも採用されました。

年表

2017年12月：「スペーシア」「スペーシア カスタム」をフルモデルチェンジ。
2018年2月：「スペーシア 車いす移動車」をフルモデルチェンジ。
2018年12月：「スペーシア ギア」発売。
2020年8月：スペーシア、カスタム、ギアを一部仕様変更。
2020年9月：「車いす移動車」を一部仕様変更。
2021年12月：スペーシア、カスタム、ギアを一部仕様変更。
2022年8月：「スペーシア ベース」発売。
2023年10月：スペーシアベースを除く生産を終了。
2023年11月：スペーシア/スペーシアカスタム/スペーシアギアの販売を終了。
2023年11月：スペーシアベースを一部仕様変更。

3代目（MK54S/94S型 2023年 - ）

デザイン

3代目スペーシア、カスタム、ギアは、ボディサイドにビード形状が施され、Dピラーとボディが同色化されています。2トーンルーフにはシルバーのアクセントカラーが採用されました。

スペーシア

メッキフロントグリルは太いバーデザインとなり、LEDヘッドランプは全車標準装備となりました。内装はブラウン基調で、カフェラテ色のアクセントが施されています。

スペーシア カスタム

大型フロントグリルはブラックベースにメッキラインが入り、LEDヘッドランプはシーケンシャル式となりました。内装はブラック基調で、セミマットなボルドーとピアノブラックの加飾が施されています。

スペーシア ギア

フロントグリルはメッキブロックデザインで、スキッドプレートを装着しています。内装はカーキグリーンのアクセントが採用され、シート表皮は山の稜線や歯車がイメージされています。

メカニズム

パワートレイン

マイルドハイブリッドシステムを継続搭載し、R06D型エンジンと新型CVTを搭載しています。

安全装備

衝突被害軽減ブレーキは、単眼カメラ+ミリ波レーダー方式の「デュアルセンサーブレーキサポートII」に変更されました。交差点衝突回避支援や低速時ブレーキサポートも搭載されています。全車に車線逸脱抑制機能が標準装備となり、発進お知らせ機能は信号機にも対応しました。

装備

メーターはデジタル表示となり、マルチインフォメーションディスプレイも大型化しました。メーカーオプションのナビゲーションは、ドライブレコーダー連携やHDMI入力に対応しています。一部グレードには「マルチユースフラップ」が装備され、パーキングブレーキは電動式となりました。

年表

2023年11月：「スペーシア」「スペーシア カスタム」をフルモデルチェンジ。
2023年12月：「車いす移動車」をフルモデルチェンジ。
* 2024年9月：「スペーシア ギア」をフルモデルチェンジ。

車名の由来

「スペーシア」は、英語で「空間」を意味する「Space」に由来しています。

類似する商標

東武鉄道の特急電車スペーシアと同名ですが、商標権侵害にはあたりません。

脚注

[脚注]と[出典]、[関連項目]については、原文の通り。

外部リンク

スペーシア｜スズキ
スペーシア ギア｜スズキ
スペーシア ベース｜スズキ

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