スタンド・オフ・ミサイル

スタンド・オフ・ミサイルについて

スタンド・オフ・ミサイルは、敵の防空ミサイルの射程外から発射できる特性を持つミサイルを指します。これにより、攻撃を行う航空機や艦艇、車両は敵の防空システムから十分に距離を取ることができ、安全な位置から目標に向けて攻撃を行うことが可能です。「スタンドオフ」という言葉は「離れた位置から攻撃する」ことを意味しており、主に陸上や海上の目標に対して使用されます。

スタンド・オフ・ミサイルの種類

多くの国が独自にスタンド・オフ・ミサイルを開発しており、その数は多岐にわたります。以下に、主要な国別で代表的なミサイルを紹介します。

アメリカ合衆国

• - AGM-28 Hound Dog
• - AGM-69 SRAM
• - AGM-86 ALCM
• - AGM-129 ACM
• - AGM-154 JSOW
• - AGM-158 JASSM
• - AGM-181 LRSO
• - B61 核爆弾
• - GAM-87 Skybolt
• - SLAAM

インド

• - DRDO SAAW
• - Rudram-1
• - Nirbhay

インド/ロシア共同開発

• - BrahMos

パキスタン

• - バーブル
• - H-2 SOW
• - H-4 SOW
• - ラード マーク1、マーク2
• - Takbir
• - Barq

イギリス

• - ブルースチール

フランス

• - ASMP (空中発射核巡航ミサイル)

イギリス/フランス共同開発

• - ストーム・シャドウ

南アフリカ共和国

• - Umbani

ノルウェー

• - Joint Strike Missile

ソビエト連邦

• - ラドゥガ Kh-20、Kh-22、KSR-5、Kh-55、Kh-15

トルコ

• - SOM ミサイル

スウェーデン

• - KEPD 350

中国

• - YJ-18

日本におけるスタンド・オフ・ミサイルの運用

日本政府は2020年12月に新たなミサイル防衛システムの整備を進める中で、スタンド・オフ・ミサイルの開発に着手すると決定しました。このミサイルは、艦艇や航空機、車両といったさまざまな発射プラットフォームから運用することを想定しています。特に、自衛隊員の安全を確保しつつ国を効果的に防衛するため、相手の脅威圏外からの攻撃が可能な体制を整えることが 強調されました。

2022年12月には、防衛力整備計画の中で、スタンド・オフ能力の強化が改めて明記されました。これには、12式地対艦誘導弾能力向上型や、島嶼防衛用の武器開発が含まれています。また、トマホークミサイルの導入や、潜水艦に搭載可能な垂直ミサイル発射システム（VLS）などの整備も進められています。

日本が進めるスタンド・オフ・ミサイルのリスト

• - JSM - 空対艦ミサイル
• - LRASM - 空対艦ミサイル
• - JASSM-ER - 空対地ミサイル
• - ASM-3改 - 開発中
• - 12式地対艦誘導弾能力向上型 - 開発中
• - 島嶼防衛用新対艦誘導弾 - 研究中
• - 島嶼防衛用高速滑空弾 - 2026年度からの配備予定
• - 極超音速誘導弾 - 研究中

このように、スタンド・オフ・ミサイルは、現代の軍事戦略において重要な役割を果たしており、各国がその能力を高めるために競い合っています。

もう一度検索