ステュ・マーティン

ステュ・マーティン：ジャズドラムの革新者

ステュ・マーティン（Stu Martin, 1938年6月11日 - 1980年6月12日）は、アメリカ合衆国出身のジャズ・ドラマーであり、その革新的な演奏と幅広い活動で知られています。

輝かしいキャリアの幕開け

16歳という若さでプロのミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせたマーティンは、早くからその才能を開花させました。カウント・ベイシー、ジミー・ドーシー、レス・エルガート、ラリー・エルガート、デューク・エリントン、メイナード・ファーガソン、クインシー・ジョーンズ、ビリー・メイといった、錚々たるビッグバンドでドラムを演奏し、その実力を証明しました。

1960年代：多様な音楽性との出会い

1960年代に入ると、マーティンの活動はさらに多様化します。ゲイリー・バートン、ドナルド・バード、カーティス・フラー、ハービー・ハンコック、オリヴァー・ネルソン、ソニー・ロリンズ、スティーヴ・スワロウ、ランバート、ヘンドリックス&ロスなど、当時のジャズシーンを牽引するアーティストたちと共演し、その音楽性を深めました。また、リー・コニッツ、アルベルト・マンゲルスドルフ、アッティラ・ゾラーからなる西ドイツのバンドや、ロルフ・キューンとヨアヒム・キューンとのバンドに参加するなど、国際的な活動も展開しました。

1970年代：新たな音楽の探求

1970年代には、チャーリー・マリアーノのバンドメンバーとして活動する傍ら、バール・フィリップス、ジョン・サーマンと共にトリオを結成し、独自の音楽性を追求しました。また、カーラ・ブレイ、スライド・ハンプトン、ジョン・マクラフリンといった、ジャンルを超えたアーティストたちとのレコーディングも行い、その音楽的視野を広げました。

リーダーアルバムと参加アルバム

マーティンは、リーダーとしても数多くのアルバムをリリースしています。

リーダー・アルバム
Alors (1970年、Futura) ※with バール・フィリップス、ミシェル・ポルタル、ジョン・サーマン
『ホエア・フォーチュン・スマイルズ』 - Where Fortune Smiles (1971年、Dawn) ※with ジョン・マクラフリン
Live at Woodstock Town Hall (1975年、Dawn) ※with ジョン・サーマン
『マウンテンスケイプス』 - Mountainscapes (1976年、ECM) ※with バール・フィリップス
Sunrise (1996年、ECM)
ザ・トリオ
『ザ・トリオ』 - The Trio (1970年、Dawn) ※旧邦題『問題児ジョン・サーマン』
『ザ・トリオ Vol. 1』 - The Trio Vol. 1 (1970年、Pye)
『コンフラグレイション』 - Conflagration (1971年、Dawn)
『ザ・トリオ・バイ・コンタクト』 - By Contact (1972年、Columbia)

また、数多くのアーティストのアルバムにも参加しており、その才能を様々な形で発揮しています。

参加アルバム（一部）
カーティス・フラー: 『ボス・オブ・ザ・ソウル・ストリーム・トロンボーン』(1960年)、『ザ・マグニフィセント・トロンボーン』(1961年)
クインシー・ジョーンズ: 『アイ・ディグ・ダンサーズ』(1961年)、『ライヴ・アット・ニューポート '61』(1961年)、『クインテッセンス』(1962年)
ソニー・ロリンズ: 『スタンダード』(1964年)
メイナード・ファーガソン: Newport Suite (1960年)
* ジョン・ヘンドリックス: Fast Livin' Blues (1961年)

ジャズ界に残した功績

ステュ・マーティンは、その短い生涯の中で、ジャズ・ドラムの新たな可能性を追求し、数多くの革新的な演奏を生み出しました。彼の音楽は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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