スペンス (駆逐艦)

USS Spence (DD-512)

USS Spence (DD-512)は、アメリカ海軍のフレッチャー級駆逐艦の一隻で、名は歴史的な指揮官、ロバート・T・スペンスに由来します。この艦は、1943年に就役し、太平洋戦争の中で数々の作戦に参加しました。

艦歴の概要

1943年、メイン州バスのバス鉄工所で起工されたスペンスは、同年10月27日に進水し、翌年の1月8日に正式に就役しました。就役後、艦はまずグアンタナモ湾での訓練を経て、大西洋とカリブ海で護衛任務に従事しました。

7月25日、スペンスはサンフランシスコを出港し、太平洋戦線に向かいました。8月には空母プリンストンやベロー・ウッドを護衛し、ベーカー島攻略作戦に参加しました。この作戦の後、エファテ島を経て、コロンバンガラへの掃討作戦にも参加します。

特に注目されるのは、10月1日から2日にかけての夜間に行われた日本軍の物資輸送艦への攻撃です。スペンスは20隻以上を撃沈したとされています。この戦闘は、艦の戦術的な能力の高さを示すものでした。

ブーゲンビル島沖海戦

11月1日には、ブーゲンビル島の戦い支援のための砲撃を行い、続いて行われたブーゲンビル島沖の海戦では日本艦隊に接触。衝突や被弾を乗り越えながらも、艦は敵艦に対して有効な攻撃を展開しました。

海戦後の11月4日、スペンスはクラ湾向けの軽巡洋艦ナッシュビルの護衛として出撃し、日本機による空襲を受けながらも任務を遂行しました。これらの活動を最終的にまとめると、アメリカの海軍戦略にとって重要な役割を果たしていたと言えるでしょう。

1944年の作戦

1944年2月、スペンスはブカ島南東への艦砲射撃を行い、その後も日本の輸送船を撃沈するなどの功績を重ねました。4月にはエミラウ島の無血占領を支援し、さらにパラオやヤップ島への攻撃にも従事しました。

また、6月にはマリアナ沖海戦にも参加し、「マリアナ沖の七面鳥撃ち」と呼ばれる戦闘にも関与しました。これなどは、アメリカ海軍の戦術的勝利に繋がりました。

コブラ台風と沈没

しかし、12月に突如現れたコブラ台風の中で、スペンスは深刻な危機に直面しました。強風と波による影響で艦は傾き、最終的には横転して沈没しました。この時、乗員のうち24名が生き残りましたが、艦は1945年1月19日に正式に除籍されました。

戦功

USS Spenceはその軍歴において、8個の従軍星章を受賞しました。この艦は、歴史的な海戦に数多く参与し、その功績はアメリカ海軍の一部として記憶されています。 USS Spenceの物語は、海軍の英勇さとその成功を象徴するものと言えるでしょう。

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