スロベニア鉄道310系電車

スロベニア鉄道310系電車（SŽ series 310）は、スロベニア鉄道が運行するインターシティ・スロベニア（InterCitySlovenija, ICS）に導入されている高速鉄道車両です。この車両は、ペンドリーノシリーズをベースとしており、具体的にはETR 460、チザルピーノETR470、イタリア国鉄ETR480、スペイン国鉄490系電車といった車両の技術を応用した、車体傾斜システムを備えた電車方式の高速鉄道車両です。

最高速度は200km/hで、電気方式は直流3kVを採用しています。310系は、クロアチア（レギオスウィンガー）やチェコ（Elektrická jednotka 680）など、中央ヨーロッパの3カ国で運行されている高速列車の一つでもあります。

インターシティ・スロベニア（ICS）は、スロベニアの首都リュブリャナを中心に、コペル、ツェリェ、マリボルといった主要都市を結ぶ路線で運行されています。列車は3両編成で、2両が2等車、1両が1等車として構成されています。車内には、身障者対応設備、公衆電話、バーなどの設備が整っており、快適な移動空間を提供しています。

歴史

スロベニアにおける高速鉄道導入の動きは、1990年代中頃に遡ります。1994年9月には、ETR 460を使用した走行試験が行われ、同年9月17日にはスロベニア鉄道における最高速度記録となる208.2km/hを達成しました。この試験結果を踏まえ、イタリア国鉄ETR460電車をベースに、スロベニア鉄道のニーズに合わせて設計が見直され、イタリアへの乗り入れも可能な車両が開発されました。2000年9月24日には、リュブリャナとマリボルを結ぶ路線で運行を開始し、2003年12月14日からはユーロシティとしてイタリアのヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅まで乗り入れるようになりました。しかしながら、2008年4月以降、イタリアへの乗り入れは行われていません。

現在、310系はスロベニア国内の路線で、最高速度170km/hで運行されています。

脚注

外部リンク

InterCitySlovenija Timetable
SZ 310 photos
* YouTube video of a SŽ series 310 train passing Ljubljana Zalog station

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