セックス・コメディとは？意味をやさしく解説

セックス・コメディとは

セックス・コメディは、性的な状況や恋愛を軸に展開されるコメディのジャンルです。演劇や映画を中心に、文学作品にもその要素が見られます。ここでは、その概要、歴史、そして各国の事例を掘り下げて解説します。

概要

セックス・コメディは、性的なテーマを扱いながらも、ユーモラスで笑いを誘う作品群を指します。演劇や映画が主な舞台ですが、オウィディウスやジェフリー・チョーサーの作品など、文学作品にもその源流を見出すことができます。17世紀のイギリス王政復古演劇では、特に人気を博し、一つの流行となりました。

1950年代から1960年代にかけては、ドリス・デイ、ジャック・レモン、マリリン・モンローといったスターが出演するハリウッド映画が多数制作されました。また、1970年代のイギリスでは、『Carry On』シリーズのような作品が人気を集めました。1978年には『アニマル・ハウス』が公開され、1980年代には『ポーキーズ』や『独身SaYoNaRa! バチェラー・パーティ』などのティーン向け作品が相次いで登場しました。ブラジル（ポルノシンシャーダ）、イタリア（コメディア・セクシー・アッリイタリアーナ）、メキシコ（セクシコメディアス）など、各国でも独自の発展を遂げています。

歴史

古代

古代ギリシアのサテュロス劇には、滑稽なセックスシーンが含まれていました。アリストパネスの『女の平和』（紀元前411年）は、主人公リューシストラテーが女性たちにセックスを控えるよう説得し、ペロポネソス戦争に抗議するという内容で、古代喜劇の代表作として知られています。西洋のセクシャル・コメディの原型である「少年と少女の出会い」のプロットは、メナンドロス（紀元前343年 - 291年）まで遡ることができ、社会風刺や政治風刺よりも中流階級の求愛や夫婦間の問題に焦点が当てられました。ローマの劇作家プラウトゥスは、性的な状況をプロットに取り入れ、『A Funny Thing Happened on the Way to the Forum』に影響を与え、シチュエーション・コメディの創造に貢献しました。

現代

フランスの青春映画には、『好奇心』のように、現代のセックス・コメディのテーマが含まれる作品があります。イタリアでは、「commedia sexy all'italiana」と呼ばれるジャンルが、コメディア・アッリイタリアーナのサブジャンルとして存在し、社会批判よりも女性のヌードとコメディに重点を置いています。

各国のセックス・コメディ

ブラジル: ポルノシンシャーダと呼ばれる、性的要素を取り入れたコメディ映画が制作されました。
イタリア: コメディア・セクシー・アッリイタリアーナは、社会批判を抑え、女性のヌードとコメディを強調した作品群です。
メキシコ: セクシコメディアスと呼ばれる、性的テーマを扱ったコメディ映画が制作されました。

参考文献

McDonald, Tamar Jeffers. 2007. Romantic Comedy: Boy Meets Girl Meets Genre. Wallflower Press
McDonald, Tamar Jeffers, ed. 2010. Virgin Territory: Representing Sexual Inexperience in Film. Wayne State University Press.
Sheridan, Simon. 2011. Keeping the British End Up: Four Decades of Saucy Cinema. Titan Books. 4th edition.

セックス・コメディ