セントルイス・ランバート国際空港

セントルイス・ランバート国際空港（STL）は、アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスにある主要な空港です。かつてはランバート・セントルイス国際空港として知られていました。この空港は、軍民共用であり、その歴史は気球の発着場として利用されていた時代に遡ります。

歴史

1920年、飛行家であり実業家でもあったアルバート・B・ランバートによって、飛行場としての設備が整備されました。第二次世界大戦前後には、カーチス・ライト社とマクドネル社（後のマクドネル・ダグラス）の製造工場が置かれ、現在もF-15やF/A-18などの戦闘機の製造が行われています。1971年には「ランバート・セントルイス国際空港」に改称され、その後トランス・ワールド航空のハブ空港として、全米だけでなく南アメリカ、カリブ海諸国、ヨーロッパ各地への国際線も運航し、2000年には利用者が3060万人に達しました。しかし、2001年にトランス・ワールド航空がアメリカン航空に吸収されると、空港のハブ機能は維持されたものの、アメリカン航空は2003年から2009年にかけて段階的にハブ機能を縮小しました。その結果、2010年には利用者が1200万人台まで落ち込みました。その後、サウスウェスト航空が路線を増やし、2019年には利用者数が1587万人まで回復しました。

かつてはヨーロッパへの直行便も存在しましたが、現在はカナダとメキシコへの国際線のみとなっています。日本への直行便も検討されましたが、実現には至っていません。2016年にはセントルイス市議会が名称変更を承認し、空港名は「セントルイス・ランバート国際空港」へと変更されました。

竜巻被害

2011年、セントルイスを襲った竜巻は、当空港にも甚大な被害をもたらしました。特に2011年4月22日には、EF4級の竜巻が第1ターミナルを直撃し、ボーディングブリッジの損壊や窓の破損が多数発生しました。さらに、航空機も被害を受け、荷物運搬用のコンベアが飛ばされてサウスウェスト航空の機体に衝突するなど、複数機が損傷しました。強風の影響で、乗客が搭乗したままボーディングブリッジから離れてしまう飛行機もありました。連邦航空局は空港を一時閉鎖しましたが、翌日には発着数を制限し再開しました。被害を受けたCコンコースは2012年4月2日に補修・改装を終えています。

ターミナル

空港には2つのターミナルがあり、国際線は第1ターミナルに発着します。ターミナル間の移動は無料シャトルバスを利用するか、徒歩でも可能です。

第1ターミナル: 1956年竣工。ミノル・ヤマサキが設計した円形ドームが特徴的な建物です。A、B、C、Dの4つのコンコースに接続しており、搭乗口は68あります。

第2ターミナル: コンコースEに直結しており、搭乗口は18あります。

主な航空会社

この空港を利用する主な航空会社は以下の通りです。

サウスウエスト航空：多数の国内線に加え、カンクンやサンフアンなどへの国際線も運航。
アメリカン航空：ダラス/フォートワース、シカゴ/オヘア、ロサンゼルス、マイアミなど。
アメリカン・イーグル：ダラス/フォートワース、オースチン、シャーロット、シカゴ/オヘアなど。
デルタ航空：アトランタ、デトロイト、ミネアポリス/セントポール、ニューヨーク/ラガーディア、ソルトレイクシティなど。
デルタ・コネクション：デトロイト、ソルトレイクシティ、ニューヨーク/ラガーディア、ミネアポリス/セントポールなど。
ユナイテッド航空：デンバー、ヒューストン/インターコンチネンタル、ニューアーク。
ユナイテッド・エクスプレス：シカゴ/オヘア、デンバー、ヒューストン/インターコンチ、ニューアーク、ワシントン/ダレスなど。
スピリット航空：ラスベガス、フォートローダーデール、ロサンゼルス、オーランド、タンパ、カンクン。
フロンティア航空：デンバー、ラスベガス、マイアミ、オーランド、カンクン。
アラスカ航空：シアトル。
* エア・カナダ：トロント。

アクセス

鉄道: メトロリンク（ライトレール）のレッドラインが、第1ターミナルから第2ターミナルを経由して市内中心部へと接続しています。

バス: メトロバスが空港内のバスターミナルに乗り入れています。

道路: 州間高速道路70号線が空港のすぐ前を通っており、170号線及び270号線とも接続しています。

セントルイス・ランバート国際空港は、セントルイス地域における重要な交通インフラとして、日々多くの人々や貨物の輸送を担っています。

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