ゼニツァ＝ドボイ県

ゼニツァ＝ドボイ県は、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦を構成する県の一つです。ボスニア語、クロアチア語、セルビア語でそれぞれ異なった表記を持ちますが、いずれも県都ゼニツァに由来する名称が用いられています。この県は、ボスニア・ヘルツェゴビナのほぼ中央に位置し、多様な民族が共存する地域として知られています。

基礎自治体

ゼニツァ＝ドボイ県は、以下の12の基礎自治体で構成されています。

ブレザ（Breza）
ドボイ・ユグ（Doboj Jug、南ドボイ）
カカニ（Kakanj）
マグライ（Maglaj）
オロヴォ（Olovo）
テシャニ（Tešanj）
ヴァレシュ（Vareš）
ヴィソコ（Visoko）
ザヴィドヴィチ（Zavidovići）
ゼニツァ（Zenica） - 県都
ジェプチェ（Žepče）
ウソラ（Usora）

これらの自治体はそれぞれ独自の文化や歴史を持ち、ゼニツァ＝ドボイ県の多様性を形作っています。

地理

ゼニツァ＝ドボイ県はボスニア・ヘルツェゴビナの中央に位置しており、地理的にも重要な場所です。県都であるゼニツァは、県の政治、経済、文化の中心地となっています。県名にも含まれるドボイ市は、現在はスルプスカ共和国に属していますが、かつては一つの基礎自治体でした。ドボイ市は後に分割され、一部がドボイ・ユグとしてゼニツァ＝ドボイ県に属しています。このような歴史的背景が、この地域の複雑な民族構成に影響を与えています。

人口構成

ゼニツァ＝ドボイ県の人口は約40万人で、ボシュニャク人が多数を占めています。クロアチア人は主にゼニツァ、ジェプチェ、ウソラ、ヴァレシュなどの地域に居住しており、セルビア人は少数派で、主にゼニツァ、ヴィソコ、ザヴィドヴィチ、テシャニなどに住んでいます。2003年の調査では、人口の内訳は以下の通りです。

ボシュニャク人: 334,031人 (83.6%)
クロアチア人: 52,130人 (13.0%)
セルビア人: 10,180人 (2.5%)
その他: 3,151人 (0.8%)

このように、ゼニツァ＝ドボイ県は多様な民族が共存する地域であり、それぞれの文化や伝統が尊重されながら、共に生活を営んでいます。しかし、過去の紛争の影響も色濃く残っており、民族間の関係は依然として複雑な側面も抱えています。今後の課題としては、民族間の融和をさらに進め、共存共栄の社会を築いていくことが挙げられます。

ゼニツァ＝ドボイ県は、ボスニア・ヘルツェゴビナの歴史、文化、社会を理解する上で重要な地域の一つです。その地理的な位置、多様な民族構成、そして過去の歴史的背景が、この地域を特徴づけています。

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