ソケイ

ソケイ（素馨）

ソケイ（学名：Jasminum grandiflorum）は、モクセイ科ソケイ属に分類される落葉性の灌木です。この植物は、ソケイ属の名前の由来ともなっており、別名としてオオバナソケイ（大花素馨）とも呼ばれます。

特徴

ソケイは、1〜4メートルほどの高さに成長する登攀性の低木です。葉は奇数羽状複葉で、5〜12センチメートルの長さで、5〜11枚の小葉から構成されています。小葉は卵状楕円形をしています。

花序は集散花序で、枝先や上部の葉腋につきます。開花時期は7月から11月にかけてで、独特で甘い芳香を放つのが特徴です。花は直径約3.5センチメートルで、筒状の花冠は13〜25ミリメートルの長さがあり、白色で先端が4〜5つに分かれて平開します。花冠の裂片は13〜22ミリメートルで、雄蕊のうち2本が花冠からわずかに突き出しています。

分布

ソケイは主に亜熱帯地域で生育しており、自生分布はアフリカ大陸のエリトリアからルワンダ、アラビア半島、パキスタンから中国の中南部までとされています。ただし、中国での分布は移入によるものという説もあります。南アジアのパキスタンでは、標高500〜1500メートルの地域に自生しています。

ヨーロッパへは古代ペルシャを経由して、日本へは中国を経由して伝わったとされています。

亜種

ソケイには以下の2つの亜種が認識されています。

Jasminum grandiflorum L. subsp. grandiflorum
Jasminum grandiflorum L. subsp. floribundum (R. Br. ex Fresen.) P. S. Green

基亜種の自生地は、サウジアラビア、オマーン、イエメン、パキスタン、ネパール、ブータン、インド、バングラデシュ、ミャンマーなどです。また、多くの国に移入されています。

亜種 J. g. ssp. floribundum は、エジプト南東部、ルワンダ、スーダン、エチオピア、エリトリア、ソマリア、ウガンダ、ケニア、サウジアラビア、オマーンなどに分布しています。

利用

ソケイは、温帯から亜熱帯にかけて、庭木や観賞植物として広く栽培されています。インドでは、葉がアーユルヴェーダの生薬として利用されているほか、花は女性のヘアスタイルを飾るために使われています。また、花から抽出される香油は「ジャスミン」として知られ、香料として広く利用されています。

語源

和名の「ソケイ」の語源については、以下の2つの説が知られています。

1. 中国の五代十国時代の劉隠の侍女であった「素馨」という少女の伝説に由来する説。彼女が亡くなった場所に咲いた花が、いつまでも良い香りを放っていたという話に基づきます。
2. 花の色が白い（素）ことと、良い香り（馨）がすることから名付けられたという説。

脚注

参考文献
林弥栄 編『日本の樹木』山と溪谷社、1985年

関連項目

インドソケイ（キョウチクトウ科）
ソケイ属（ジャスミン）
マツリカ
ハゴロモジャスミン
オウバイ
オウバイモドキ
シロモッコウ (Jasminum officinale)

外部リンク

Jasminum grandiflorum L. - Plants of the World Online
Jasminum grandiflorum L. - Global Biodiversity Information Facility
Jasminum grandiflorum - World Plants

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