タイヘイフィルム

タイヘイフィルム株式会社

タイヘイフィルム株式会社は、1966年（昭和41年）に設立され、1968年（昭和43年）に活動を停止した、かつて存在した日本の映画配給会社です。設立者は、太平住宅を中心とした「太平グループ」の代表である中山幸市でした。

設立と初期の活動

1966年8月30日、タイヘイフィルムは、ゴードン・ダグラス監督によるアメリカ映画『荒野の悪魔』（原題: The Fiend Who Walked the West）を配給し、映画配給会社としての第一歩を踏み出しました。この作品は、セヴン・アーツ・プロダクションズが1958年に製作したもので、タイヘイフィルムは日本での配給を担当しました。また、同年には、千葉真一主演の東映映画『太陽に突っ走れ』の製作にも協力しています。

東和との共同配給

1967年8月8日には、東和（現在の東宝東和）と共同で、ジャック・ドゥミ監督によるフランスのミュージカル映画『ロシュフォールの恋人たち』を配給しました。この作品は、タイヘイフィルムが洋画配給に力を入れていた時期の代表的な作品の一つです。

活動停止とその後

1968年2月10日、タイヘイフィルムは、アルベルト・デ・マルティノ監督によるイタリア・フランス・スペイン合作映画『077/地獄の挑戦状』を配給しましたが、同年10月27日に中山幸市が死去した後は、活動の形跡が途絶えました。

タイヘイフィルムは、わずか2年ほどの活動期間でしたが、その間に数々の作品を配給し、日本の映画ファンに多様な映画を提供しました。特に、洋画の配給に力を入れていた点が特徴的です。

フィルモグラフィー

以下は、タイヘイフィルムが配給した主な作品の一覧です。

1966年
『荒野の悪魔』 (The Fiend Who Walked the West) - アメリカ映画、1958年製作、1966年8月30日日本公開
『太陽に突っ走れ』 (Dash to The Sun) - 日本映画、1966年製作、1966年9月8日日本公開
『地獄の決死隊』(Un Taxi Pour Tobrouk) - フランス映画、1962年製作、1966年10月18日日本公開
『七人目にかける男』 (Compartiment tueurs) - フランス映画、1965年製作、1966年12月17日日本公開
『二人の殺し屋』 (Hail! Mafia) - フランス・イタリア合作、1966年製作、1966年12月17日日本公開

1967年
『皆殺しのシンフォニー』 (Symphonie pour un massacre) - フランス映画、1965年製作、1967年2月4日日本公開
『ザ・スパイ』 (The Defector) - フランス・ドイツ合作、1966年製作、1967年3月4日日本公開
『太陽の爪あと』 (The Shuttered Room) - イギリス映画、1966年製作、1967年5月20日日本公開
『ベネチタ事件』 (The Venetian Affair) - アメリカ映画、1966年製作、1967年5月18日日本公開
『ロシュフォールの恋人たち』 (Les Demoiselles De Rochefort) - フランス映画、1966年製作、1967年8月8日日本公開（東和と共同配給）
『姿なき殺人者』 (Ten Little Indians) - イギリス映画、1967年製作、1967年12月7日日本公開
1968年
『077/地獄の挑戦状』 (Missione speciale Lady Chaplin) - イタリア・フランス・スペイン合作、1966年製作、1968年2月10日日本公開

関連人物・会社

タイヘイフィルムの活動に関わった主な人物や会社は以下の通りです。

ゴードン・ダグラス (en:Gordon Douglas (director)) - アメリカの映画監督。『荒野の悪魔』を監督。
セヴン・アーツ・プロダクションズ (en:Seven Arts Productions) - アメリカの映画製作会社。『荒野の悪魔』を製作。
ジャック・ドゥミ (fr:Jacques Demy) - フランスの映画監督。『ロシュフォールの恋人たち』を監督。
ジャック・ドレー(fr:Jacques Deray) -フランスの映画監督。『皆殺しのシンフォニー』を監督。
デイヴィッド・グリーン (en:David Greene (director)) - イギリスの映画監督。『太陽の爪あと』を監督。
ジェリー・ソープ (en:Jerry Thorpe) - アメリカの映画監督。『ベネチタ事件』を監督。
ジョージ・ポロック (en:George Pollock (director)) - イギリスの映画監督。『姿なき殺人者』を監督。

タイヘイフィルムは短命に終わった映画会社でしたが、その活動は日本の映画史において重要な一章を刻んでいます。

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