二人の殺し屋

映画『二人の殺し屋』について

『二人の殺し屋』（原題：Je vous salue, mafia!）は、1965年に製作されたフランスとイタリアの合作映画です。映画プロデューサーであるラウール・レヴィが監督を務め、彼の初監督作品となりました。

製作の背景

ラウール・レヴィは、ハリウッドでの映画製作経験を経て、ヨーロッパ向けのB級映画セールス代理人として活動していました。その後、ロジェ・ヴァディム監督の『素直な悪女』を手がけ、ブリジット・バルドーをスターダムに押し上げたことで知られています。1962年から歴史大作『マルコ・ポーロ 大冒険』の製作に取り掛かりましたが、トラブルが相次ぎ、公開も難航しました。そこでレヴィは、原点回帰として、白黒フィルムでの低予算フィルム・ノワールを自ら監督することを決意し、本作『二人の殺し屋』が誕生しました。

この映画はフランスとイタリアの合作でありながら、使用言語は英語であるという特徴があります。原作は、ピエール・ヴィアル＝ルズーが「ピエール・ヴィアル」名義で発表した小説『たたえられよ、マフィア』（1964年）。脚本はレヴィ自身が手掛けました。タイトルは「たたえられよ、マリア」をもじったものであり、後にレヴィの友人であるジャン＝リュック・ゴダールも、このタイトルに影響を受けて『こんにちは、マリア』（1984年）、『たたえられよ、サラエヴォ』（1993年）を制作しています。

『二人の殺し屋』は、『マルコ・ポーロ 大冒険』が公開されたわずか5日後の1965年8月11日に公開されました。日本ではタイヘイフィルムが配給し、1966年12月17日に劇場公開されました。ビデオグラム化は日本ではされていませんが、アメリカでは2008年にDVDが発売されています。

ストーリー

舞台はニューヨーク。建設会社の社長ルイドーサが不正を追及され、当局に拘束されます。上院の査問委員会は、フランス・マルセイユ在住のアメリカ人、ルディを召喚します。ルイドーサの会社経営陣は、ルディの証言を恐れて二人の殺し屋を雇います。一人はシャフト、もう一人はフィル。フィルは個人的な怨恨を抱えているという。二人はマルセイユへ向かいます。ところが、ルイドーサは釈放されてしまいます。

二人のボスであるハイマンは、秘書を送り、仕事の中止を伝えようとしますが、二人は見つかりません。秘書がルディの事務所を訪れた際、ルディは身の危険を感じて秘書を殴り倒します。

日曜日の朝、ルディは友人のシルヴィアと狩猟に出かけます。シルヴィアが先に帰った直後、シャフトとフィルが現れます。実は、フィルはルディの旧友であり、殺しを阻止するために同行していたのでした。真相を知ったシャフトはルディを殺害します。怒ったフィルはシャフトを撃ち殺します。フィルは、一瞬にして友人と仲間を失ってしまったのでした。

スタッフ

監督・脚本・翻案・ダイアローグ: ラウール・レヴィ
原作: ピエール・ヴィアル＝ルズー
撮影監督: ラウール・クタール
録音: ピエール＝アンリ・グミ
美術・装飾: ジャン・アンドレ
編集: ヴィクトリア・メルカントン
技術協力: ダニエル・ヴロネッキ
音楽: ユベール・ロスタン
プロデューサー: ラウール・レヴィ
製作主任: エドモン・ルモワーニュ
製作: ITTAC、P.E.C.F.、フィルムストゥディオ（ローマ）

キャスト

エディ・コンスタンティーヌ - ルディ役
ヘンリー・シルヴァ - シャフト役
ジャック・クラグマン - フィル役
エルザ・マルティネリ - シルヴィア役
ミシュリーヌ・プレール - デイジー役
マイケル・ロンズデール - 秘書役
カール・ステューダー - ルイドーサ役
リッキー・クーパー - ベン役
トゥネール・エケルベリ - ハイマン役
ジャン＝マルク・アレーグル
ダニエル・オブライアン
マルチェロ・パリエロ

関連書籍

Pierre Vial (Pierre Vial-Lesou), Je vous salue Mafia, Paris : Editions Fleuve noir, Spécial Police ; 414), 1964.

外部リンク

Je vous salue, mafia - BiFi（フランス語）
二人の殺し屋 - allcinema
二人の殺し屋 - KINENOTE
Je vous salue, mafia ! - IMDb（英語）

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