タウロイ

タウロイ：クリミアの古 народ

タウロイ（Ταῦροι）は、古代ギリシア時代にクリミア半島南部に居住していたスキタイ系の民族です。クリミア半島の古名であるタウリカ、タウリス、タヴリダは、この民族名に由来します。

歴史

ダレイオス1世のスキタイ征伐

アケメネス朝のダレイオス1世（在位：紀元前522年 - 紀元前486年）は、ボスポラス海峡を渡りトラキア人を征服した後、北のスキタイを征服しようとイストロス河を渡りました。

これに対し、スキタイは周辺の諸民族を糾合してダレイオスに対抗しようと考え、使者を送りました。しかし、タウロイを含むアガテュルソイ、ネウロイ、アンドロパゴイ、メランクライノイ、ゲロノイ、ブディノイ、サウロマタイの諸族の王はすでに会合し、対策を練っていました。スキタイの使者は「諸族が一致団結してペルシアに対抗するため、スキタイに協力してほしい」と要請しましたが、諸族の意見は分かれました。ゲロノイ王、ブディノイ王、サウロマタイ王のみがスキタイに賛同し、タウロイらその他の諸族は「スキタイの言うことは信用できない」として協力を拒否しました。

習俗

古代ギリシアの歴史家ヘロドトスは『ヒストリアイ（歴史）』において、タウロイの習俗について記述を残しています。

また、紀元前1世紀の古代ローマの歴史家ストラボンは『地理誌』において、タウロイの習俗について記述しています。

地理

タウロイの居住地は現在のクリミア半島南部に位置し、北の王族スキタイの領土と隣接していました。彼らが暮らす山岳地帯にはトラペズス山という山がありました。

脚注

参考資料

ヘロドトス『歴史』訳：松平千秋『ヘロドトス』（筑摩書房、1988年、ISBN 4480203109）
ストラボン（訳：飯尾都人）『ギリシア・ローマ世界地誌Ⅱ』（龍溪書舎、1994年、ISBN 4844783777）

関連項目

タウリカ
アガテュルソイ
アルギッパイオイ
アンドロパゴイ
イッセドネス人
イラン語群
キンメリア人
ゲタイ
サウロマタイ
サカ
サルマタイ
スキタイ
ネウロイ
ブディノイ
マッサゲタイ
メランクライノイ
* 遊牧民

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