タルボス (衛星)

タルボス (Saturn XXI Tarvos) について

タルボスは、土星の第21番目の衛星として知られています。この衛星は、土星の周りを順行方向に公転する不規則衛星であり、ガリア群というグループに属しています。ガリア群は、軌道要素や物理的特徴が似ている衛星が集まっているグループです。

発見と命名

タルボスは、2000年9月23日にブレット・J・グラドマン氏らの観測チームによって発見されました。観測には、カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡や新技術望遠鏡などが使用されました。発見は同年10月25日に国際天文学連合の回報で公表され、当初は「S/2000 S 4」という仮符号が与えられました。

その後、2003年8月8日に、ケルト神話に登場する牡牛、タルヴォス・トリガラヌスにちなんで「タルボス」と命名され、確定番号「Saturn XXI」が与えられました。

特徴

タルボスの直径は、アルベド（天体の反射能）を0.06と仮定した場合、約15kmと推定されています。土星からの平均軌道長半径は約18,215,100kmであり、約926日かけて土星を一周します。軌道離心率は、ガリア群に属する他の衛星と比較して最も大きく、2023年6月時点で確認されている土星の衛星の中では9番目に大きい値です。

タルボスが属するガリア群の衛星は、軌道要素や物理的特徴が類似していることから、共通の起源を持つと考えられています。このグループの衛星は、共通の母天体が破壊された結果形成されたか、あるいはグループ内で最も大きいアルビオリックスという衛星の破片から形成された可能性があるとされています。

2002年には、北欧光学望遠鏡を用いた観測が行われ、タルボスの色指数が測定されています。その結果、B-V=0.77、V-R=0.57、V-I=0.88という値が得られています。

タルボスの軌道

タルボスは、土星から遠く離れた場所を公転しており、その軌道は楕円形です。ガリア群の他の衛星と同様に、土星の重力の影響を受けて不規則な動きをすることがあります。そのため、タルボスの軌道は時間とともに変化する可能性があります。

タルボスの起源

タルボスの起源についてはまだ不明な点が多いですが、ガリア群の他の衛星と同様に、土星系形成の初期段階で形成されたと考えられています。今後の研究によって、タルボスの起源がさらに解明されることが期待されます。

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