タンク・カーダー

タンク・カーダー：不屈の精神でNFLに挑むラインバッカー

タンク・カーダー（Tank Carder）は、1989年1月18日生まれ、テキサス州スウィニー出身のアメリカンフットボール選手です。現在はNFLのクリーブランド・ブラウンズに所属し、ラインバッカーとして活躍しています。「タンク」というニックネームは、生後1年半で体重が33ポンド（約15キロ）に達したことに由来します。

幼少期の才能

9歳の時、カーダーはフランスで開催された世界選手権自転車競技大会BMSで優勝。しかし、自転車競技への興味を失い、プロのBMSレーサーであったババ・ハリスは、カーダーが競技を続けていればオリンピックに出場できただろうと語っています。

交通事故からの奇跡的な復活

数年後、カーダーは交通事故に遭い、生死の境をさまよいました。6週間の入院を余儀なくされ、肋骨を7本骨折、横隔膜や肺にも損傷を負う重傷でした。医師からは「命を取り留めたとしても、歩けるようになるかわからない」と告げられました。入院中、母親から歩けなくなった場合のことを聞かれた彼は、「オリンピックの車いす競技に出場する」と答えました。この時の怪我は、彼のフットボール人生に大きな影響を与えました。

フットボールへの挑戦

高校では、フットボールチームにキッカーとして加入を希望。ただし、キックオフやパントを蹴った後は、接触プレーをしないことが条件でした。2年生の時、トライフォーポイントを蹴る際、ホールダーがファンブル。ボールを拾った彼は、接触されることなくランで2ポイントコンバージョンを決めましたが、プレー後にコーチから同様のプレーをしないよう警告を受けました。3年生になり、ようやく接触プレーが許可され、ラインバッカー、ランニングバック、クォーターバック、タイトエンドとしてもプレーすると共に、キッカーも続けました。4年生の時には、オフェンスで1,200ヤードを獲得、ディフェンスでは116タックルを記録しました。大学進学を前に、Rivals.com から2つ星評価を受けました。

大学での活躍

テキサスクリスチャン大学からの奨学金を得て進学。2009年からは先発出場するようになり、81タックル、10パスブロックの活躍を見せました。チームは全米トップのディフェンスを誇り、ボイシ州立大学とのフィエスタボウルに出場しました。2010年には、全米コーチ協会よりオールアメリカンに選出。2011年1月1日に行われたウィスコンシン大学とのローズボウルでは、第4Qに同点となる2ポイントコンバージョンを阻止し、最優秀守備選手に選ばれました。また、CBSスポーツからオールアメリカンセカンドチーム、AP通信からサードチームにも選ばれています。

NFLでのキャリア

2012年のNFLドラフト5巡147位でバッファロー・ビルズに指名されましたが、8月31日にカット。翌9月1日、クリーブランド・ブラウンズと契約を結びました。2014年には、全16試合に出場し、スペシャルチームで16タックルを記録しました。2016年3月、ブラウンズと再契約を結びましたが、2017年のプレシーズン第2週のニューヨーク・ジャイアンツ戦でACLを断裂し、シーズンを全休しました。2018年3月、ブラウンズと再契約を結びましたが、6月にチームがマイカル・ケンドリクスを獲得した際にカットされました。2012年から2016年までの5シーズンで77試合に出場し、ディフェンスで20タックル、スペシャルチームで38タックルを記録しています。

タンク・カーダーは、その不屈の精神と努力で、数々の困難を乗り越え、NFLの舞台で活躍を続けています。

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