ターナレーン駅

ターナレーン駅

ターナレーン駅は、ラオスのヴィエンチャン都ハートサーイフォング郡に位置する貨物駅です。この駅は、メコン川に架かるタイ＝ラオス友好橋から約5.2kmの場所にあり、ラオス側の国境駅として機能しています。特徴として、ラオス国内にはメーターゲージの鉄道車両が存在しないため、駅に乗り入れる列車は全てタイ国鉄の車両で運行されています。

概要

ターナレーン駅は、タイのNEDA（国家経済社会開発庁）によるタイ・ラオス鉄道建設プロジェクトの一環として建設されました。当初はノーンカーイ駅との間を結ぶ路線の一部として開業しましたが、後にヴィエンチャン市街地方面への延伸も完了しました。

2023年10月30日にはヴィエンチャン駅が開業し、それに伴いターナレーン駅は2024年7月から貨物専用駅となりました。現在は全ての旅客列車が通過するようになっています。この変更は、国際貨物輸送の需要増加と、効率的な物流ネットワークの構築を目的としたものです。

歴史

ターナレーン駅の歴史は以下の通りです。

2009年3月5日: ノーンカーイ駅 - ターナレーン駅間 (6.15km)が開業。
2023年10月30日: ターナレーン駅 - ヴィエンチャン駅間 (7.5km)が開業。
2024年7月: ヴィエンチャン駅の運営開始に伴い、ターナレーン駅は貨物専用駅となる。

開業当初から2024年7月までは旅客駅としても利用されており、地上駅として単式および島式の複合型ホーム2面2線を有していました。駅舎は単式ホームに面しており、旅客向けの出入国審査設備も備えられていました。これにより、鉄道を利用する旅行者は、ラオスとタイの間でスムーズな移動が可能でした。

タナレーン・ドライポート

2019年8月より、ターナレーン駅ではタイとの間で国際貨物輸送が開始されました。さらに、2020年7月には、駅の北側約1kmの場所に総合物流施設であるヴィエンチャン・ロジスティクスパークとタナレーン・ドライポートが着工されました。

タナレーン・ドライポートは、鉄道コンテナ貨物と、タイ＝ラオス友好橋を経由する貨物自動車による貨物を取り扱う施設です。2021年12月に正式に開業し、2022年7月1日には、中国ラオス鉄道との貨物積み替え設備が完成しました。

中国ラオス鉄道は標準軌である一方、タイ側の路線はメーターゲージであるため、貨物の積み替えが必須となります。このドライポート内には、タイ＝ラオス友好橋を通過する貨物自動車専用の国境検問所も設置されており、通関手続きも行われています。

このドライポートは、中国の昆明方面とタイのレムチャバン港を結ぶ貨物物流の重要な結節点となっており、2022年8月には、マレーシアのクアラルンプールと直結する試運転列車も運行されました。

駅周辺

ターナレーン駅周辺には以下の施設があります。

タイ＝ラオス友好橋・ラオス側入口（道のり3.8km）
ヴィエンチャン・ロジスティックス・パーク、ターナレーン・ドライポート（約1km）

将来計画

2010年11月、ラオスとタイの当局者は、ターナレーン駅からヴィエンチャンまでの共同延長プロジェクトを見直し、代わりにタイと中国政府が支援するノンカイと昆明を結ぶ中国ラオス鉄道プロジェクトに組み込むことを決定しました。

これにより、メコン川に架かる新しい橋が建設され、ターナレーン駅はタイ＝ラオス友好橋を渡る貨物列車のターミナルとして活用されることになりました。プロジェクトが完了すれば、貨物はバンコクからラオスまで、道路輸送よりも低コストで輸送できるようになると期待されています。

参考文献

杉本聖一　『魅惑のタイ鉄道』　（玉川新聞社、2000年）ISBN 4-924882-29-1
『世界の鉄道』（海外鉄道技術協力協会、2005年）
柿崎一郎　『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』　（京都大学学術出版会、2010年）ISBN 978-4-87698-848-8
渡邉乙弘　『タイ国鉄4000キロの旅』　（文芸社、2013年）ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目

ラオスの鉄道
ラオスの鉄道駅一覧
タイ＝ラオス友好橋
タイ国有鉄道 - 東北本線
トランス＝ユーラシア・ロジスティクス

外部リンク

Thanaleng Dry Port （英語）
Vientiane Logistics Park （英語）

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