ノーンカーイ駅

ノーンカーイ駅

ノーンカーイ駅は、タイ王国東北部、ノーンカーイ県ムアンノーンカーイ郡に位置するタイ国有鉄道東北本線の駅です。ラオスとの国境に近く、国際列車も発着する重要な駅となっています。人口約14万人が暮らすムアンノーンカーイ郡の中心部からはやや離れた場所にあります。

概要

開業当初のノーンカーイ駅は、現在の駅よりも北に位置しており、タイ＝ラオス友好橋の手前で東にカーブし、ノーンカーイ市街地に近い場所にありました。ラオスとの国際線開業に伴い、現在の場所に新駅が建設され、旧駅は「タラットノーンカーイ駅」と改称されました。その後、タラットノーンカーイ駅は非公式に普通列車が1日1往復のみ発着していましたが、2011年頃に廃止されました。

ターナレーン駅開業後

2009年にターナレーン駅が開業すると、ノーンカーイ駅には1日に国内線が8本（4往復）、国際線が4本（2往復）発着するようになりました。国際線は、メコン川を挟んだラオスのターナレーン駅との間を結んでおり、その区間はわずか6.15kmと非常に短いものでした。この国際列車は、マレー鉄道の国際列車（運行区間2.1km）が運行されるまでは世界で最も短い国際列車でした。列車はタイ＝ラオス友好橋を渡り、国境を越えて1分程度でターナレーン駅に到着しました。運賃は急行料金が適用され、3等車でも20バーツでした。

国際列車の運行に伴い、駅のホーム上には出入国管理所が設置され、列車の発着に合わせて業務が行われています。国内線は、バンコクのフワランポーン駅を結ぶ座席急行、寝台急行、全車3等座席車の快速列車がそれぞれ1往復、ナコン・ラーチャシーマ発着の普通列車が1往復運行しています。バンコク行きの列車は、早朝の急行を除いて夜行列車です。

ヴィエンチャン駅開業後

2024年7月、ヴィエンチャン駅が開業し、バンコク（クルンテープ・アピワット中央駅）とヴィエンチャン駅を直通する快速国際列車、ウドーンターニー駅と直通する国際列車がそれぞれ1日1往復運行を開始しました。同時に、ターナレーン駅を結ぶ急行列車は廃止されました。ノーンカーイ駅では、プラットフォーム上の出入国管理施設が利用され、直通国際列車は長時間停車します。

歴史

タイで最初の官営鉄道は、1897年3月26日にフワランポーン駅 - アユタヤ駅間で開業しました。その後、ナコーンラーチャシーマー駅まで完成すると、北本線と南本線の工事が進められ、東北線の建設はしばらく停滞しました。北本線と南本線の完成後、東北線をウボンラーチャターニーまで延伸することが決定し、1930年4月1日に完成しました。ウドーンターニーまでの工事はその後開始され、1941年6月24日にウドーンターニー駅まで完成しましたが、旧ノーンカーイ駅に到達したのはそれから17年後の1958年7月31日でした。

1941年6月24日：コーンケン駅 - ウドーンターニー駅間開業（119.09km）
1955年9月13日：ウドーンターニー駅 - ノーンカーイ駅（現：ナーター駅）間開業（49.00km）
1958年7月31日：ナーター駅 - (旧)ノーンカーイ駅間開業（5.74km）
2000年5月28日：新ノーンカーイ駅に移転（旧ノーンカーイ駅はタラットノーンカーイ駅に改称）
2009年3月5日：新ノーンカーイ駅 - ターナレーン駅間開業（6.15km）
2011年頃：新ノーンカーイ駅 - タラットノーンカーイ駅間廃止（2.48km）

駅周辺

ノーンカーイ県庁 (1.5km)
タイインドシナ大学
ノーンカーイバスターミナル (4.5km)

図書館

駅前には、退役した客車2両を利用した図書館があります。車両はクリーム色に塗装されており、現役時代とは異なる外観です。

参考文献

岡本和之 『タイ鉄道旅行』 （めこん、1993年）ISBN 4-8396-0080-5
杉本聖一 『魅惑のタイ鉄道』 （玉川新聞社、2000年）ISBN 4-924882-29-1
柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 （京都大学学術出版会、2010年）ISBN 978-4-87698-848-8
渡邉乙弘 『タイ国鉄4000キロの旅』 （文芸社、2013年）ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目

タイの鉄道駅一覧
タイ国有鉄道東北本線
タイ＝ラオス友好橋

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