ダイハツ・アトレー7

アトレー7：7人乗りを実現したダイハツのコンパクトミニバン

アトレー7は、ダイハツ工業が2000年7月に発売した7人乗りミニバンです。軽自動車のアトレーワゴンをベースに開発され、リアオーバーハングを延長することで、大人7人が乗車可能な広々とした室内空間を実現しました。全長はアトレーワゴンに比べて370mm、全幅は40mm大型化されています。

開発の経緯と特徴

アトレー7は、東京モーターショーでAT-7として参考出品された後、量産モデルとして登場しました。1.3Lの直列4気筒K3-VE型エンジンを搭載し、アトレーワゴンよりも重量が増加したものの、扱いやすい走りを実現しています。大型バンパーやエアロパーツ風のサイドモールを採用するなど、外観にも力を入れています。

アトレー7は、7人乗りの他、5人乗り仕様や商用登録のハイゼットグランカーゴも存在しました。ハイゼットグランカーゴはサードシートを廃し、荷室を広く取ったモデルです。また、2003年9月にはトヨタ自動車にスパーキーとしてOEM供給されましたが、販売は振るいませんでした。

販売と生産終了

発売当初は、コンパクトなボディながら7人乗りを実現したことから、一定の販売実績を上げました。しかし、軽商用車をベースとしたボディ構造のため、車内幅員やレッグスペース、操縦性には限界があり、コンパクトミニバンの主流が軽1BOXベースからコンパクトカーベースに移行するにつれて販売は低迷しました。結果、2004年秋にハイゼットグランカーゴと共に日本市場での生産を終了しました。

海外展開と特殊車両

アトレー7は日本国外でも販売され、エクストールという名称で輸出されました。左ハンドル仕様で、5人乗り、7人乗り、そして2人乗りバン仕様が存在しました。また、日本では埼玉県警察がパトロールカーとしてアトレー7を使用していました。

メカニズムとスペック

アトレー7のエンジンは、K3-VE型1,297cc直列4気筒DOHCエンジンです。最高出力は前期型が90馬力、後期型が92馬力に強化されました。トランスミッションは5速フロアMTと4速コラムATの2種類が用意され、駆動方式はFRと4WDの2種類がありました。

年表

2000年7月7日：発表・発売。CMには高橋由伸選手と星飛雄馬が起用されました。
2001年7月：一部改良
2002年6月：マイナーチェンジ。エンジン性能向上、ロールーフ仕様追加
2004年6月：オーダーストップ
2004年11月30日：生産終了
2004年12月27日：販売終了

アトレー7の販売終了により、ダイハツの国内ラインナップからMPVタイプの小型普通乗用車が一時的に消滅することとなりました。後継車種としては、パッソ/ブーンをベースとしたブーンルミナスが挙げられます。

車名について

車名の「アトレー」はフランス語の「魅力的」を意味する「Attrai」に由来し、「7」は7人乗りを表しています。

関連車種

アトレー7は、ダイハツの軽商用車であるハイゼット、アトレーワゴンをベースに開発されました。また、トヨタのスパーキー、商用車のハイゼットグランカーゴなど、様々な派生車種が存在します。その他、スズキ・エブリイランディ、三菱・タウンボックス、スバル・ドミンゴなど、軽バンをベースとした小型ミニバンもアトレー7と類似したコンセプトの車種と言えるでしょう。

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