ダビューク (ドック型輸送揚陸艦)

USSダビューク (LPD-8) ドック型揚陸艦

USSダビューク(USS Dubuque, LPD-8)は、アメリカ海軍のドック型揚陸艦であり、クリーブランド級ドック型輸送揚陸艦の2番艦として知られています。艦名はアイオワ州のダビューク市に由来し、この名を持つ艦としては2隻目となります。

艦歴

1965年1月25日にミシシッピ州パスカグーラのインガルス造船で起工され、1966年8月6日に進水、1967年9月1日にバージニア州ポーツマスのノーフォーク海軍造船所で就役しました。その後、パナマ運河を通過し、カリフォルニア州サンディエゴを最初の母港としました。

ベトナム戦争

1968年から1975年まで、ダビュークは西太平洋に展開し、ベトナムで様々な任務に従事しました。1968年10月には、北ベトナムから釈放された14名の捕虜を本国に送り届けるという重要な役割を果たしました。1969年から1971年にかけては、戦争の「ベトナム化」に伴い、10のキーストーン・カージナル部隊を沖縄に上陸させる作戦を支援しました。1973年2月から6月にかけては、ハイフォン港の機雷掃海作業であるクリーン・スイープ作戦に従事し、ヘリコプターの母艦としての役割も担いました。1975年4月には、サイゴン撤退作戦と南ベトナム難民救助に参加し、人道支援にも貢献しました。

冷戦終結後

1985年8月15日、ダビュークはサンディエゴから新たな母港である長崎県佐世保に向けて出航し、9月4日に佐世保に到着しました。第7艦隊に所属し、西太平洋における海兵隊のサポートを主な任務としました。1988年5月にはペルシャ湾に展開し、イラン・イラク戦争中にアメリカのタンカーを保護するための機雷掃海作業に従事しました。1989年には、クーデター未遂事件が発生したフィリピンで、アメリカ国民を保護するための作戦に参加しました。

1990年8月のイラクによるクウェート侵攻の際には、砂漠の盾作戦に参加し、ペルシャ湾に展開しました。揚陸準備グループBの主力として、多国籍軍創設初期に海兵隊上陸チームをサウジアラビアのアル・ジャビルに揚陸させるという重要な任務を遂行しました。

1999年7月30日には、ジュノー (USS Juneau, LPD-10) と任務を交代し、再びカリフォルニア州サンディエゴが母港となりました。1999年の6月から9月にかけて、姉妹艦であるジュノーとの間で最初のシップ・スワップが行われ、両艦の乗員はそれまでの母港に留まることとなり、ダビュークは母港のカリフォルニア州サンディエゴに帰港しました。

2006年9月から2007年5月にかけては、ボクサー (USS Boxer, LHD-4)、コムストック (USS Comstock, LSD-45) と共に展開し、「イラクの自由作戦」に参加する第15海兵隊遠征隊をイラクに輸送しました。この任務では、イラク軍捕虜の拘留施設としての役割も担い、ペルシャ湾北部の石油運搬設備の保護および維持にも従事しました。

2008年には、ペリリュー遠征打撃グループと共に展開し、ダビュークの乗組員は海賊の特定と追求、オマーン湾およびアフリカの角における海賊に関する情報収集活動に従事しました。また、ペルシャ湾に向かう途中で沈没したフィリピンの船舶の乗員6名を救助するという人道的な活動も行いました。

退役

2011年6月30日にダビュークは退役しました。

避難民論争

1988年6月10日、ダビュークはベトナムからの110名の避難民を乗せたボートを発見しましたが、艦長が誤った情報に基づき、十分な援助を行わなかったため、その後の漂流で多数の死者を出すという悲劇が発生しました。この件で、艦長は職務怠慢で戒告処分を受けました。

新型インフルエンザ

2009年5月には、乗組員が新型インフルエンザ（豚インフルエンザ）に感染したため、南太平洋への人道救助任務を中止せざるを得なくなりました。

受章歴

ダビュークは、1個の海軍部隊章、4個の殊勲部隊章、3個の戦闘効率賞、3個の遠征部隊メダル、3個の災害派遣従軍章を受賞し、西太平洋およびインド洋での数々の揚陸演習に参加しました。

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