チャボ・ゲレロ・シニア

チャボ・ゲレロ・シニア：レスリング界のレジェンド、ゲレロ家の誇り

チャボ・ゲレロ・シニア（本名：サルバドル・ゲレロ・ジャネス、1949年1月7日 - 2017年2月11日）は、アメリカ合衆国テキサス州エルパソ出身のメキシコ系アメリカ人プロレスラーである。レスリング一家ゲレロ家の長男として、その名を世界に轟かせた人物の一人だ。父ゴリー・ゲレロ、弟のマンド・ゲレロ、ヘクター・ゲレロ、エディ・ゲレロ、そして息子チャボ・ゲレロ・ジュニア、姪のシャウル・ゲレロと、家族全員がプロレスラーという、まさにレスリング一家と言える。

大学からリングへ：輝かしいキャリアの始まり

大学時代はレスリング部に所属し、1968年のメキシコシティーオリンピック代表候補にも選ばれるほどの腕前だった。1970年、高校非常勤教師の傍ら、テキサス州アマリロでプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせる。当初はゴリー・ゲレロ・ジュニアというリングネームを使用していたが、後にチャボ・ゲレロへと変更。メキシコ系のベビーフェイスとして着実にキャリアを積み重ねていった。若手時代にはスタン・ハンセンとのタッグを組むなど、早くからその才能を発揮している。1975年には全日本プロレスに初来日を果たしている。

アメリカでの活躍：数々のタイトル獲得

1970年代中盤からは、カリフォルニア州ロサンゼルスを主な活動拠点とし、NWAアメリカス・ヘビー級王座を16回獲得するなど、圧倒的な強さをみせつけた。アーニー・ラッド、ロディ・パイパー、ドリー・ファンク・ジュニアといったそうそうたるレスラーたちを相手に勝利を収め、その実力を証明した。NWA世界ライトヘビー級王座も獲得しており、NWA世界ヘビー級王座にも挑戦。ハーリー・レイスとの60分3本勝負では1本目を先取するも、時間切れによりドローという結果に終わったものの、その実力はレイスをも凌駕するほどであった。

日本での活躍：藤波辰巳との激闘

1978年には新日本プロレスに参戦。ジュニアヘビー級戦線で藤波辰巳と激闘を繰り広げ、大きな注目を集めた。1980年には木村健吾からNWAインターナショナル・ジュニアヘビー級王座を奪取。その後もアメリカで防衛戦を続け、全日本プロレスにも参戦、大仁田厚との激しい抗争を繰り広げた。大仁田との試合では、ジャーマン・スープレックスを必殺技として使用し、お互いがジャーマンを狙っての激しい攻防を展開した。1983年には大仁田の負傷による王座返上後、トーナメントを制し再びNWAインターナショナル・ジュニアヘビー級王座を獲得している。

様々な団体での活躍と晩年

その後もアメリカ各地を転戦し、様々な団体で活躍した。弟のヘクター・ゲレロとのタッグは特に有名で、全日本プロレスの世界最強ジュニアタッグリーグ戦にも出場。1985年にはUSAヘビー級王座を獲得するなど、常にトップレベルで活躍し続けた。AWA、AAAといった団体にも参戦し、ルードとして活躍する場面もあった。1990年代後半に一度引退するも、2004年にはWWEに参戦し、息子であるチャボ・ゲレロ・ジュニアとの抗争劇を繰り広げた。WWEクルーザー級王座を獲得するなど、晩年においてもその存在感を示した。2007年には無我ワールドプロレスリング主催の引退シリーズに参戦し、藤波辰巳との再戦が実現。2016年にはファイヤープロレスの旗揚げ戦にも参戦するなど、現役を引退後も日本のリングに上がり続けた。2017年、肝臓癌のため68歳で死去した。

ゲレロ流レスリング：独特の技とスタイル

チャボ・ゲレロ・シニアは、数々の得意技を持っていた。ジャーマン・スープレックスをフィニッシュ・ムーブとして使用していたこと、そして越中詩郎が盗んだと公言しているヒップアタックも有名だ。カウンター式サイド・スープレックスからのヒップアタック、ジャーマン・スープレックスという流れは、彼の代名詞とも言える殺人フルコースであった。さらに、ダイビング・ボディ・アタック、プランチャ・スイシーダなども得意とし、相手を翻弄する巧みなテクニックと高い身体能力を駆使した。父ゴリー・ゲレロが開発したゴリー・スペシャルも使用していた。

ゲレロ家の遺産：プロレス界への多大な貢献

チャボ・ゲレロ・シニアは、数々のタイトルを獲得し、アメリカとメキシコ、そして日本のプロレス界に多大なる貢献を果たした。彼の活躍は、ゲレロ家というレスリング一家を象徴するものであり、多くのファンに感動と興奮を与え続けた。その功績は、今後もプロレス史に語り継がれていくことだろう。彼の卓越した技と、レスリングへの情熱は、多くの後進のプロレスラーたちに大きな影響を与え続け、プロレス界のレジェンドとして永遠に語り継がれるだろう。

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