チーム関西

チーム関西：保守・右派系市民団体の実態

チーム関西は、関西地方で活動していた日本の保守・右派系市民団体です。主に在日特権を許さない市民の会（在特会）や主権回復を目指す会（主権会）のメンバーによって構成され、「行動する保守」を標榜していました。

概要

チーム関西は、右派系市民団体の関西在住メンバーや活動家らの連合グループとして結成されました。正式な結成時期は不明ですが、2009年10月頃と推測されています。2012年2月に代表者が辞任し、表向きは活動を休止しましたが、公式サイトでの情報発信は継続されています。

この団体は、団体間の共闘関係を構築することを目的としており、役職は代表のみ、規約や会員制度は設けないなど、組織構成は極めて簡素でした。チーム関西が主催する形式で活動を行うこともあれば、各メンバーが所属する右派系市民団体の活動に協賛する形で関与することもありました。また、独自の寄付金口座を開設して資金を募っていました。

活動内容は、リベラル・左派寄りの政党やマスコミ、在日韓国・朝鮮人など「反日的」とみなした勢力の糾弾を目的とした街宣やデモが中心でした。また、活動の様子を撮影した動画を動画投稿サイトにアップロードし、情報発信も行っていました。

しかし、街宣やデモの現場で過激な言動を多用する傾向があり、業務妨害や器物損壊などの違法行為に及んだメンバーが刑事責任や民事上の損害賠償責任を問われる事例も発生しました。2014年5月末までに、複数の活動に関して多数のメンバーが刑事事件の被疑者として送検され、有罪判決を受けた者もいました。また、メンバーらに対する損害賠償請求訴訟も提起されています。

ジャーナリストの安田浩一は、チーム関西のような右派系市民団体には、満たされない承認欲求を抱えた人々が活動を介して繋がり合うという側面があると指摘しています。一方、徳島大学の樋口直人准教授は、チーム関西は主にブルーカラー層によって構成された特異なグループであり、社会階層の低い者が排外主義に走っていると安易に結論付けるべきではないと主張しています。

歴史

2006年から2008年にかけて、在特会や主権会などの右派系市民団体が次々と設立されましたが、関西地方での活動は関東地方に比べて規模・回数ともに見劣りしていました。2008年に関西支部長が増木重夫に任命された頃から、関西でも街頭活動が行われるようになり、2009年には複数の団体が参加するデモが開催されました。同年10月には、荒巻靖彦らを中心とするグループ「チーム関西」が結成されました。

チーム関西の結成後も、関西地方における右派系市民活動は拡大を続けましたが、次第に先鋭化していきました。2009年1[[2月]]の京都[[朝鮮学校公園占用抗議事件]]を皮切りに、刑事事件として取り上げられる過激な活動が相次ぎました。

こうした活動の先鋭化に伴い、警察による警戒も強まり、主要メンバーの検挙が相次ぎました。主要メンバーを欠いたことにより活動規模は縮小を余儀なくされ、活動の先鋭化もやや抑えられる結果となりました。

しかし、2011年には水平社博物館前差別街宣事件のような過激な活動も一部では続けられました。また、在特会本部と日護会本部の間で激しい対立が発生し、日護会はチーム関西から撤退しました。

その後、主要メンバーの復帰により再び活動は活発化しましたが、メンバー間の対立が深まりました。特に、「現代撫子倶楽部」代表の中谷良子を巡る対立が深刻化し、チーム関西内に不協和音が生じました。

2012年1月、中谷が詐欺容疑で逮捕されたことをきっかけに、チーム関西は活動休止を宣言しました。その後もメンバー間の対立は解消されず、活動告知が削除されるなどの騒動が発生しました。

在特会はチーム関西公式サイトでの活動告知を取り止め、独自に開設した活動告知用カレンダーページを使用するようになりました。また、リーダー格だった荒巻靖彦・西村斉が逮捕されたことも活動規模の縮小を招きました。

その後もチーム関西の枠組みを用いた活動は続けられましたが、公式サイトに掲載される活動予定の告知件数は大幅に減少しました。2013年以降は活動の告知件数が減少し、内容は川東大了の個人的な活動報告が大半を占めるようになりました。

チーム関西は、右派系市民団体の活動の一翼を担いましたが、過激な活動やメンバー間の対立により、組織としての活動は停滞しました。

主なメンバー

荒巻靖彦
西村斉
川東大了
中曽千鶴子
中谷良子
桂田智司
三好恭弘
山本雅人
浜諦弘
池本なお

事件

チーム関西のメンバーが加害者となった主な事件は以下の通りです。

京都[[朝鮮学校公園占用抗議事件]]
朝鮮総連京都府本部不退去事件
大阪水曜デモ妨害事件
徳島県教組業務妨害事件
京都創価学会施設侵入事件
水平社博物館前差別街宣事件
ロート製薬強要事件
神戸市立博物館脅迫事件

これらの事件は、チーム関西の活動が過激化し、違法行為に及んだことを示す事例と言えるでしょう。

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