ティヤナ・ダプチェヴィッチ

ティヤナ・トデフスカ＝ダプチェヴィッチ（Tijana Todevska-Dapčeviḱ）は、1976年2月3日生まれの北マケドニアを代表するポップ歌手です。旧ユーゴスラビア社会主義連邦共和国、マケドニア社会主義共和国（現在の北マケドニア）のスコピエで、マケドニア人の父とセルビア人の母の間に生まれました。妹のタマラ・トデフスカも有名なポップ歌手であり、姉妹揃って音楽の才能を発揮しています。結婚後は、セルビア人実業家の夫の姓であるダプチェヴィッチを名乗っています。

彼女の代表曲の一つに「Sve je isto, samo njega nema」（全ては同じ、彼だけがいない）があります。この曲は、旧ユーゴスラビアの指導者であったヨシップ・ブロズ・ティトーへのノスタルジーを歌ったもので、ボスニア語、クロアチア語、モンテネグロ語、マケドニア語、スロベニア語、セルビア語という、旧ユーゴスラビアを構成した各国の言語のパートで構成されている点が特徴的です。ユーゴノスタルギヤを象徴する楽曲として、今もなお多くの人々に愛されています。

ティヤナは、数々の音楽祭で輝かしい成績を収めています。2002年には、モンテネグロのヘルツェグ・ノヴィで開催されたスンチャネ・スカレフェスティバルで、ダルコ・ディミトロフがプロデュースした「Negativ」で優勝しました。この曲は、彼女の2枚目のスタジオ・アルバムのタイトルにもなっています。また、2006年にはセルビア・ラジオ・フェスティバルで「Julijana」を歌い、再び優勝を飾りました。

ユーロビジョン・ソング・コンテストとの関わりも深く、2006年にはセルビア・モンテネグロの国内選考であるエヴロペスマに「Greh」で出場し、8位に入賞しました。この曲は、2007年夏にリリースされたアルバム『Žute minute』に収録されています。そして、2014年にはデンマークで開催されたユーロビジョン・ソング・コンテストに北マケドニア代表として出場。「To the Sky」という曲を歌い、準決勝では13位という結果に終わりましたが、その歌唱力とパフォーマンスは高く評価されました。妹のタマラは、2008年と2019年のユーロビジョン・ソング・コンテストに出場しており、2014年にはティヤナのバックボーカルを務めました。

これまでに、以下のアルバムをリリースしています。

Kao da...（2001年）
Negativ（2002年）
Zemlja mojih snova（2004年）
Žute minute（2007年）

ティヤナ・トデフスカ＝ダプチェヴィッチは、その歌声と音楽性で、北マケドニアだけでなく、旧ユーゴスラビア地域全体で愛される国民的歌手です。今後も彼女の活躍から目が離せません。

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