テウォ県

テウォ県（迭部県）

テウォ県は、中国甘粛省甘南チベット族自治州に位置する県です。地理的には秦嶺山脈の西部に位置し、岷山と迭山の間の峡谷にあります。四川省と隣接し、豊かな自然に恵まれた地域です。

地理

テウォ県は、北はチョネ県、東は舟曲県、東北は定西市岷県および隴南市宕昌県、西南は四川省アバ・チベット族チャン族自治州のゾルゲ県および九寨溝県とそれぞれ隣接しています。森林被覆率は54%を超え、ジャイアントパンダが生息するなど、自然環境が豊かです。現在、中国で14番目のジャイアントパンダ保護区の指定を目指しています。

歴史

「テウォ」という地名は、チベット語で「親指」を意味します。伝説によれば、仙人涅甘達娃がこの地を通った際、親指で山中に道を開いたことに由来すると伝えられています。漢語名の「沓中」は、三国時代の蜀の武将、姜維が宦官黄皓との政争を避けてこの地に駐屯し、開墾を行った時代に由来します。

テウォ県は、紅軍の長征において、紅軍が甘粛省に最初に入った場所としても知られています。1935年8月9日、紅一方面軍は草地を経て俄界（現在の高吉村）に到達し、中国共産党は俄界会議を招集しました。この会議で毛沢東は「四方面軍領導との争論及び今後の戦略方針について」を作成し、「張国燾同志の錯誤決定について」を決定し、「北上抗日同志への書」を発表しました。これにより、陝西省と甘粛省における割拠方針が決定されました。同年9月14日には、紅軍は旺蔵郷達茨日那村の旺蔵寺に到達し、毛沢東はここで臘子口戦役を指揮しました。

現在、テウォ俄界会議会址や達茨日那村の毛沢東故居などは、紅色旅遊（革命聖地などを巡る観光）の目的地として多くの観光客が訪れています。

行政区画

テウォ県は、以下の5つの鎮と6つの郷を管轄しています。

鎮: 電尕鎮、益哇鎮、旺蔵鎮、臘子口鎮、洛大鎮
郷: 卡壩郷、達拉郷、尼傲郷、阿夏郷、多児郷、桑壩郷

テウォ県は、豊かな自然と歴史的な背景を持つ魅力的な地域であり、観光地としての発展が期待されています。

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