アバ・チベット族チャン族自治州とは？意味をやさしく解説

アバ・チベット族チャン族 自治州

アバ・チベット族チャン族自治州は、中華人民共和国四川[[省]]の北西部に位置する自治州です。ここはチベット族とチャン族が共に暮らす地域であり、多様な文化が息づいています。チベット語に由来する「ガパ」や「ガワ」という言葉は「収穫」を意味し、この豊かな土地を象徴しています。州都はバルカム（馬爾康）です。

地理

アバ州は四川[[省]]の北西部に位置し、成都平原に近接しています。北は青海省、甘粛[[省]]と接し、西と南は成都市、綿陽市、徳陽市、雅安市、カンゼ・チベット族自治州に隣接しています。州内には、4,000mから5,000m級の岷山山脈が連なり、岷江をはじめとする長江水系の河川が南へと流れています。また、北部には黄河水系の川が草原を潤しています。

歴史

紀元前316年、秦によって湔氐道が現在の松潘県に置かれ、漢代には汶山郡が設置されました。宋代には茂州通化郡、威州維川郡が置かれました。元代に土司制度が始まり、明代には茂州、威州、松潘衛が置かれ、清代には茂州、理番庁、松潘庁、懋功庁が設置されました。

民国初年には、庁州が県に改められ、屯殖督弁公署が設置されました。その後、四川[[省]]第十六行政督察区に改編され、松潘、茂県、汶川、理県、懋功（現在の小金県）、靖化（現在の金川県）の6県と草地65部、20土司、11屯守備を管轄しました。

1935年から1936年にかけて、中国工農紅軍が長征の途中でこの地に16ヶ月間滞在し、各地にソヴィエト政府や少数民族革命政権を樹立しました。1953年には四川[[省]]蔵族自治区が成立し、1955年にアバ・チベット族自治州と改称、1987年には現在のアバ・チベット族チャン族自治州となりました。2008年の四川大地震では、州内各地が甚大な被害を受けました。

民族

アバ州は多様な民族が暮らす地域であり、チベット族が52.3%、チャン族が17.7%、回族が3.2%、漢族が26.6%を占めています。ここは四川[[省]]で2番目に大きなチベット族の居住地であり、チャン族の主要な集住地でもあります。

行政区画

アバ州は1つの県級市と12の県を管轄しています。

馬爾康市（バルカム）
汶川県（ルング）
理県（タシリン）
松潘県（スンチュ）
九寨溝県（シルツァデグ）
金川県（チュチェン）
小金県（ツェンラ）
黒水県（トチュ）
壌塘県（ザムタン）
阿壩県（ガパ）
若爾蓋県（ゾルゲ）
紅原県（カコク）
茂県（マオ）

経済

アバ州は省都・成都に近く、比較的経済状態は良好です。2003年の生産総額は51.72億元でした。観光業、水力発電、鉱業が主要な産業であり、日本で使用される樹脂向けの金属シリコンの多くをこの自治州に依存しています。九寨溝や黄龍といった世界遺産に恵まれており、国内外から多くの観光客を集めています。

交通

航空：四川九寨黄龍空港
鉄道：川青線
道路：蓉昌高速道路、G213国道、G317国道

世界遺産

九寨溝県の九寨溝風景区と松潘県の黄龍風景区は、1992年にユネスコの世界遺産に登録されました。また、四川[[省]]のジャイアントパンダ保護区の一部もアバ州に属しており、臥竜自然保護区、草坡自然保護区、四姑娘山自然保護区、四姑娘山風景名勝区、米亜羅風景名勝区が含まれています。

健康・医療

州内には、馬爾康市人民医院をはじめ、各県に人民医院や中医院などの医療機関が設置されています。

アバ・チベット族チャン族自治州