テオス (イオニアの都市)

テオス：古代イオニアの都市

テオス（古代ギリシア語: Τέως, Teos）は、イオニア地方の沿岸、キュトリウムとミョネススの二つの半島の間に位置していた古代ギリシアの都市です。創建については、ボイオーティア地方のオルコメノスから来たミニュエス人やイオニア人、ボイオーティア人によって創建されたという説がありますが、正確な時期は分かっていません。テオスはイオニア同盟を結成した12都市の一つであり、地峡を成す低い丘陵地に位置していました。遺跡は、現在のトルコ、イズミル県セフェリヒサール地区にあるシアジクという町の南方に位置しています。

歴史

パウサニアスの記述によれば、テッサリア王アイオロスの子孫でありボイオーティア王であったアタマースの子孫であるアタマースという指導者が、オルコメノスからミニュエス人を率いてこの都市を創建したとされています。その後、イオニア人やアテナイ、ボイオーティアからの移住者が流入しました。

二つの良港に恵まれたテオスは、紀元前540年頃にキュロス2世がリュディアとイオニアに侵攻するまで繁栄を続けました。テオスの人々は、トラキアのアブデラやケルチ海峡のアジア側に位置するファナゴレイアといった、新たに創建された植民都市へと退去することが賢明だと考えました。港は後にアンティゴノス1世によって復興されました。

ローマ帝国時代には、テオスはワイン、劇場、ディオニューソスの神殿などで知られるようになりました。これらの施設は、低い丘の上に位置し、6世紀までに城塞化されたアクロポリスの周辺に配置されていました。当時のテオスの港に近いテクタス付近で発見された難船は、紀元前6世紀から紀元前4世紀にかけての古典古代に遡るものであり、当時、エーゲ海諸島の東部の島々と海を介しての交易が行われていたことを示唆しています。

ヘロドトスは、当時の各都市の方言に基づいて4つのグループを定義しましたが、テオスはギリシア語イオニア方言の中のリュディア方言グループの一員とされました。テオスは、詩人のアナクレオン、歴史家のアブデラのヘカタイオス、ソフィストのプロタゴラス、詩人のスキュティノス、地理学者のアンドロン、叙事詩詩人のアンティマコス、アリストテレスの著作の保存に努めたアペリコンらの出身地です。エピクロスはテオスで育ち、デモクリトスの弟子であったナウシパネスの下で学んだとされています。ウィトルウィウスは、テオスのディオニューソス神殿の建築家がヘルモゲネスであると記しています。

遺跡の現状

現代の村落シアジクは、テオスの遺跡の近くに位置しています。かつての都市の内部は、その後、農地として長く利用されてきたため、遺跡の発掘は困難な状態にあります。農地の鋤き返しによって、土地の表層に陶片などがもたらされることもあり、考古学的調査を通して収集が進められています。

テオスの遺跡は、古代都市の繁栄と文化を今に伝える貴重な遺産ですが、その発掘と保存には多くの課題が残されています。

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