エーゲ海諸島

エーゲ海諸島：歴史と文化が織りなす美しい島々

エーゲ海諸島は、エーゲ海に点在する島々の総称であり、そのほとんどがギリシャ領、一部がトルコ領となっています。地理的な位置関係は、西と北をギリシャ本土、東をトルコ本土（アナトリア半島）に挟まれ、南はクレタ島、南東はロドス島、カルパトス島、カソス島を限界とします。

歴史的背景

エーゲ海の島々の領有は、歴史的な変遷を経て現在に至ります。第一次世界大戦で敗北したオスマン帝国は、エーゲ海の島々を含む広大な領土を失いました。その後、トルコ共和国がギリシャとの戦争でアナトリア半島と東トラキアを奪還し、現在の領土が確定しました。また、ドデカネス諸島は第二次世界大戦後、イタリアからギリシャへと譲渡されました。

地理的な区分

エーゲ海諸島は、伝統的に以下の7つのグループに分けられます。

1. 北エーゲ諸島（北東エーゲ諸島）: レスボス島、ヒオス島、サモス島などが含まれます。
2. スポラデス諸島（北スポラデス諸島）: スキアトス島、スコペロス島、アロニソス島などが属します。
3. エヴィア島: ギリシャで2番目に大きな島で、本土と橋で繋がっています。
4. サロニカ諸島（アルゴサロニコス諸島）: サラミス島、エギナ島、イドラ島などが含まれます。
5. キクラデス諸島: ミコノス島、サントリーニ島、ナクソス島など、美しい景観で知られる島々です。
6. ドデカネス諸島（南スポラデス諸島）: ロドス島、コス島、カルパトス島など、歴史的な遺産が豊富です。
7. クレタ島: ギリシャ最大の島で、独自の文化と歴史を持っています。

地理的には東地中海に属するカステロリゾ島や、歴史的な経緯からイオニア諸島の一部とみなされるキティラ島・アンティキティラ島など、例外的な島も存在します。

行政区分

エーゲ海の島々のほとんどはギリシャ領であり、1987年までは「エーゲ海諸島地方」という行政区画が存在しました。現在は、9つのペリフェリア（地方）に属しており、そのうち3つは島嶼のみで構成されています。

クレタ
北エーゲ - 北エーゲ諸島
南エーゲ - キクラデス諸島、ドデカネス諸島
東マケドニア・トラキア - タソス島、サモトラキ島など
中央マケドニア - 沿岸の小島嶼（Ammouliani）
テッサリア - スポラデス諸島（スキロス島を除く）
中央ギリシャ - エヴィア島、スキロス島など
アッティカ - サロニカ諸島の大部分
* ペロポネソス - アルゴリス湾の小島嶼

トルコ領の島としては、ダーダネルス海峡付近のボズジャ島（テネドス島）とギョクチェアダ島（イムヴロス島）が主なものです。その他、トルコ西海岸には小さな島や岩礁が点在しています。

その他の用法

「イタリア領エーゲ海諸島」という言葉は、かつてイタリアが占領したドデカネス諸島を指す際に用いられていました。

エーゲ海諸島は、その美しい自然、豊かな歴史、独特の文化が魅力であり、世界中から多くの観光客が訪れる人気の観光地です。

もう一度検索