テルク・セマンカ級戦車揚陸艦

テルク・セマンカ級戦車揚陸艦

テルク・セマンカ級戦車揚陸艦は、インドネシア海軍に属する艦級であり、総計6隻が建造されました。これらの艦は、1979年から1982年にかけて韓国の馬山にある韓国タコマ造船所（現在のHJ重工業）で製造され、1979年から1982年の間に就役しました。2023年現在では、4隻が現在も運用されています。

設計と性能

この艦級は、韓国タコマ造船所のアリゲーター型設計を基にしており、類似の設計は韓国海軍の高峻峰級やベネズエラのカパナ級でも見られます。テルク・セマンカ級の各艦は、デザインにおいて多様性があり、具体的には1番艦と3番艦には格納庫が装備されていないのに対し、6番艦には2つの格納庫があります。また、5・6番艦では煙突の代わりに舷側排気を採用ており、艦橋上部のレーダー装備位置やLCVPの搭載位置も変更されています。さらには、40mm機関砲の数が減少しており、艦影が大きく異なっています。

特に、5・6番艦は指揮艦としても運用が可能であり、6番艦は病院船としての機能も担える設計がありますが、実際には正式な運用は行われていないことが確認されています。各艦は、揚陸部隊200名、戦車17両、LCVP2隻を搭載する能力を有し、満載時の排水量は3,810トン、全長は100メートル、幅は最大で14.4メートル、喫水は4.2メートルです。

主機は2基のディーゼルエンジンが搭載され、2 軸で推進する構造で、合計出力は12,800馬力を誇ります。これにより最大速力は15ノット、航続距離は13ノットで7,500海里に達します。また、乗員は士官13名を含む90名とされています。

装備

装備面では、テルク・セマンカ級はボフォース 70口径40mm機関砲を2〜3基搭載し、ラインメタル 90口径20mm機関砲も2基装備しています。さらに、艦載ヘリコプターとして5・6番艦にはウェストランド ワスプ1機またはAS332 スーパーピューマ3機が搭載可能です。

レーダーについては、Iバンドのレイカル・デッカ製航海レーダーが搭載されており、特に5・6番艦にはE/Fバンドのレイセオン製対水上捜索レーダーも装備されています。

運用史

運用史には、2001年にカリマンタン州で発生した民族紛争（サンピットの紛争）での難民輸送活動や、2010年に西パプア州へ災害救助のために派遣されたケースが含まれています。これらの任務からも、テルク・セマンカ級の艦が多様な役割を担えることが示されています。

関連項目

同様の艦級にはテルク・アンボイナがあり、さらに他の類似艦との比較も可能です。これにより、テルク・セマンカ級戦車揚陸艦の重要性とその運用の幅の広さが強調されます。

もう一度検索